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朝鮮民主主義人民共和国の人権状況:国連特別報告者、訪日調査終了にあたっての声明

プレスリリース 15-006-J 2015年01月23日

朝鮮民主主義人民共和国の人権状況に関する国連特別報告者、訪日調査(2015年1月19-23日)終了にあたっての声明

東京(2015年1月23日) – 私は、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の人権状況に関する国連特別報告者として、再び日本を公式訪問できたことを非常にうれしく思います。いつもながら、私の任務に格別の協力をいただいている日本政府と、私の訪日中、支持を表明していただいた全ての方々に感謝いたします。

私はまず、中東の暴力的な過激派集団の人質となっている2名の日本人に対し、私の個人的な懸念を表明したいと思います。同様に、苦悩の時を過ごされているご家族の皆様にも、心からお見舞いを申し上げます。

私は訪日中、拉致担当問題相、外務大臣政務官、外務省総合外交政策局長、内閣情報官、警察庁外事情報部長、外務省人権人道課長、外務省アジア太平洋局次長、内閣府拉致被害者等支援担当室長、北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟会長と会談しました。また、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会をはじめとする市民社会代表の方々や、各国外交団の方々ともお会いしました。

今回の訪日は、国連の総会と安全保障理事会で最近、DPRK情勢に関する大きな動きが見られ、DPRK政府の行動に国際社会の注目が集まる中で行われることになりました。国連総会は2014年12月、DPRKの人権状況に関し画期的な決議を採択しました。圧倒的多数で採択されたこの決議は、国際刑事裁判所への付託の可能性を含め、安保理がDPRKの人権状況を検討するための道を開きました。安保理は12月下旬の会合で、拉致問題にかなり集中する形でこの問題について話し合っています。現段階で、具体的な成果は意図されていないものの、私は、DPRKの人権状況がしっかりと安保理の議題として取り上げられたという事実を歓迎します。この前向きな流れは、DPRK政府による深刻な人権侵害に対する国際社会の認識を高めようとしてきた、日本その他の加盟国による長年の地道な努力の賜物といえます。

今回の訪日の目的は、日本人の拉致問題に関する日本政府とDPRK政府による対話に関し、最新の動きを知ることにありました。私はこの対話を歓迎しつつも、数カ月にわたってこう着状態が続いていることを遺憾に思います。二国間の取り組みが問題の解決に向けて継続されなければならないということは認めますが、DPRK政府による国際的な拉致と強制失踪という問題の解決に向けた包括的な戦略に基づき、この問題にさらに本腰を入れて取り組むためには、国際社会からの幅広い支持を取り付けることも欠かせません。私は人権理事会の要請を受け、このような戦略を準備しているところですが、その主な要素は、2015年3月に予定されている人権理事会の次の会期で提示されることになっています。この戦略の実施に当たっては、すべてのステークホルダーの協力が極めて重要になります。

これまでに、拉致された日本人の数についての認識は、当初から解放が求められていた12人をはるかに超えることが明らかになってきました。警察庁は現在、数年間にわたり881人がDPRK関連の拉致事件に巻き込まれた可能性を調査しているという情報も得ました。これは明らかに、拉致問題が日本社会だけでなく、国際社会にとっても深く広い懸念に発展する源であり、全体として、この問題により強い決意を持って取り組まなければなりません。

私はまた、お会いした方々がすべて、人権高等弁務官事務所が韓国のソウルに間もなく設置する現地機関と連携する意思を示したこともうれしく思っています。この現地機関は人権理事会から、DPRKの人権状況に関する調査委員会(COI)の作業のフォローアップを委託されることになります。すでにこの調査委員会は、DPRKが拉致と強制失踪を含む人道に対する罪に相当する深刻な人権侵害を犯したという判断を示しています。すべてのステークホルダーが、この機関による今後の作業を支援する必要があります。

私はこの関連で、拉致問題に対する日本のNGOの懸命な取り組みを歓迎するとともに、国内的にも国際的にも積極的に力を合わせ、真実と正義を追求し、この悲劇に決定的な終止符を打つよう、これらNGOに強く促したいと思います。政府は人権に関する諸課題に取り組む際、常に欠かせない役割を果たす市民団体の関与を一貫して図っていくべきです。

最後に、拉致被害者家族の方々に深い敬意を表したいと思います。数十年にわたる苦悩にもかかわらず、威厳のある冷静さと衰えることのない勇気を保ち続けているその姿に、私は改めて深い感銘を受けました。家族の方々は常に、私たち全員が真実と拉致被害者の帰還を求める闘いを継続する意欲とモチベーションを支える、この上なく大きな力となっています。

訪日中、私の調査のために時間を割いて下さった方々全員に改めて感謝いたします。今後も目的の実現に向け、さらに協力していけることを期待しています。

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マルズキ・ダルスマン氏(インドネシア)は20108月、国連人権理事会により朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の人権状況に関する特別報告者に任命されました。ダルスマン氏は特別報告者として、いかなる政府または組織からも独立し、個人としてその任務にあたっています。ダルスマン氏は、ベナジール・ブット元パキスタン首相暗殺に関する3名から成る国連調査委員会に加わったほか、スリランカに関する国連事務総長専門家パネルでは、議長を務めています。人権委員会は20133月、DPRKでの組織的、広範かつ深刻な人権侵害に関し調査、報告する3名から成る委員会のメンバーにもダルスマン氏を任命し、特別報告者と兼任させることにしました。詳しくは下記をご覧ください。 
http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/SP/CountriesMandates/KP/Pages/SRDPRKorea.aspx

国連人権高等弁務官事務所国別ウェブページ – DPRK:
http://www.ohchr.org/EN/countries/AsiaRegion/Pages/KPIndex.aspx

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Guillaume Pfeifflé (+41 79 752 0483 / gpfeiffle@ohchr.org). 

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