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持続可能な開発目標(SDGs)報告2018 発表 — 主な調査結果(日本語訳)

プレスリリース 18-038-J 2018年06月21日

主な調査結果

目標1 貧困をなくそう
• 極度の貧困率は対1990年で3分の1に低下していますが、世界には極度の貧困がなかなか減らない場所がいくつかあります。1日1ドル90セント未満で暮らす人々は、極度の貧困状態にあるとみなされていますが、こうした人々は依然として7億8,300万人を数え、しかもその半数がサハラ以南アフリカ、およそ3分の1が南アジアで暮らしています。
• 2016年の推計によると、何らかの社会保障給付の対象者は世界人口の45%にすぎず、40億人が依然として保護を受けられない状態にあります。

目標2 飢餓をゼロに
• 世界の飢餓は長く減少を続けてきましたが、食料不安を抱える人々の数は現在、再び増加に転じているものと見られます。栄養不良に陥っている人々の数は、主として紛争や干ばつ、気候変動関連の災害により、2015年の7億7,700万人から2016年の8億1,500万人へと増大しています。

目標3 すべての人に健康と福祉を
• 全世界の5歳未満の幼児死亡率は、2000年から2016年にかけて47%低下し、5歳未満の死者数も合計で990万人から560万人へと減少しています。
• 最も大きな健康上の課題を抱える地域でも、大幅な前進が見られます。2000年以来、サハラ以南アフリカでは、妊産婦死亡率が35%、5歳未満死亡率が50%、それぞれ低下しました。
• 全世界のHIV感染率は2005年から2016年にかけ、非感染者1,000人当たり0.40人から0.26人へと低下しました。しかし、サハラ以南アフリカの出産年齢女性については、感染率が非感染者1,000人当たり2.58人と、極めて高くなっています。
• 2010年の時点で、世界人口のほぼ12%(8億人以上)は家計支出の10分の1以上を医療に費やしていますが、この割合は2000年の9.7%を上回っています。
• 2030年までに全世界でマラリアを撲滅する目処は立っていません。2016年の時点で、マラリア患者は2億1,600万人に達し、2013年の2億1,000万人を上回っています。

目標4  質の高い教育をみんなに
• 幼児と思春期の子どもの過半数は、最低限の読み書き計算能力を身に着けていません。

目標5 ジェンダー平等を実現しよう
• 南アジアでは、女児が子どものうちに結婚するリスクが40%以上も低下しています。
• 1日当たり平均で、女性が無償の家事や育児、介護労働に従事する時間は、男性の3倍に上ります。

目標6 安全な水とトイレを世界中に
• 2015年の時点で、10人に3人が安全に管理された飲料水サービスを受けられていません。10人に6人は、安全に管理された衛生サービスを利用できない状態にあります。
• 同じく2015年の時点で、23億人が依然として、基本的な水準の衛生サービスさえ受けられず、8億9,200万人が屋外排泄を続けています。

目標7 エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
• 後発開発途上国では、電力を利用できる国民の割合が2000年から2016年にかけ、倍以上に伸びました。
• 2016年の時点で、ほぼ10億人が電力を利用できず、毎夜を暗闇の中で過ごしていますが、そのほとんどは農村部に居住しています。

目標8 働きがいも 経済成長も
• 全世界で労働生産性が上昇し、失業率は低下しています。しかし、若年失業率は成人の3倍に上ります。

目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
• 全世界の炭素強度は2000年から2015年にかけて、付加価値1ドル当たり二酸化炭素換算で0.38キログラムから0.31キログラムへと、19%の低下を示しています。

目標10 人や国の不平等をなくそう
• 2010年から2016年にかけ、データが入手できる94カ国のうち60カ国で、最貧層40%の所得が国民全体の所得よりも急速に成長しています。
• 速報値によると、2017年に記録された送金総額6,130億ドルのうち、4,660億ドルは低・中所得国が送金先となっています。

目標11 住み続けられるまちづくりを
• 都市住民の10人に9人は、汚染された空気を吸っています。

目標12 つくる責任 つかう責任
• 2018年までに、計108カ国が持続可能な消費と生産に関する国内政策とイニシアティブを策定しています。

目標13 気候変動に具体的な対策を
• 2017年の時点で、災害に起因する経済的損失は3,000億ドルを超え、近年でも稀に見る大きな損失となっていますが、その原因の1つとして、北大西洋のハリケーンによる被害が史上最大規模に達したことが挙げられます。また、ここ5年間の地球の平均気温も過去最高となっています。

目標14 海の豊かさを守ろう
• 保護を受ける海洋生物多様性水域は広がりを見せており、重要な海洋生物多様性水域は2000年の30%から2018年の44%へと拡大しています。

目標15 陸の豊かさも守ろう
• 地球上の植生被覆面積の約5分の1は、1999年から2013年にかけて、一貫して生産性の低下傾向を見せており、10億人以上の生活が脅かされています。

目標16 平和と公正をすべての人に
• 全世界で、有罪判決を受けないまま拘束されている受刑者の割合は、過去10年間でほぼ横ばいとなっています(2003~2005年の32%に対し2014~2016年は31%)。

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
• 2016年の時点で、固定系高速ブロードバンドを利用できる人々の割合は、開発途上国の6% に対し、先進国では24%となっています。

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報告書 The Sustainable Development Goals Report 2018 (英文)のダウンロードはこちらから。

報告書発表に関する UN News 記事・日本語訳はこちらから。