本文へスキップします。

  • プリント

ここから本文です。

2017年は「開発のための持続可能な観光の国際年」

2017年02月22日

国境を越えて観光する人の数は、世界で一日300万人以上にのぼり、毎年およそ12億人が海外旅行をしています。このように膨大な人の移動をもたらしている観光は、経済と社会、環境での持続可能な開発に大きく貢献する可能性を秘めています。

国連は、2017年を「開発のための持続可能な観光の国際年(International Year of Sustainable Tourism for Development)」と定め、観光の役割に対する認識を広めていきます。開発途上国の経済成長を支える観光は、貧困撲滅や雇用創出につながります。また、旅先での異文化交流は相互理解を深め、無知や差別といった障壁をなくし、多様性と平和をもたらします。さらに、自然との触れ合いを通じて、資源の有効活用や気候変動などの環境に対する問題意識を高め、地球規模の課題について考える機会を得ることもできます。

ヒトやもの、情報の行き来をより速く容易にしたグローバル化は、観光も勢いづけています。その急激な変化は、観光を拠り所とする国の経済を潤す一方、文化や遺産の保護・継承、自然環境の保全、労働環境の改善などの課題を浮き彫りにし、観光においても「持続可能性」を追求することが喫緊の課題です。観光の不十分な管理・運営は、伝承文化・古代遺産の消滅や、脆弱で貴重な自然環境と生物多様性の破壊、不平等な労働環境などを招く原因となるため、計画性と責任のある持続可能な観光の普及・浸透が急がれます。

こうした中、「開発のための持続可能な観光の国際年」に向けて世界が協力することを目指し、発足を記念するキックオフ・イベントが2017年1月18日、スペインのマドリードにあるエル・パルド宮殿で行われました。アントニオ・グテーレス事務総長はメッセージを寄せ、「観光は経済を支える柱、繁栄のためのパスポートであり、何百万人もの生活を改善させる大きな推進力になっています。持続可能な開発のための2030アジェンダ達成に向けて、私たちは観光の持つ力を活かすことができますし、またそうしなければなりません」と述べ、観光に携わる関係者や政策提言者に理解と協力を求めました。

2017年の国際年を主導する国連世界観光機関(UNWTO)は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)との協力体制のもと、持続可能な観光を推進していきます。

-UNWTO「開発のための持続可能な観光の国際年」オフィシャルサイト(英語)
http://www.tourism4development2017.org/

-UNESCO「開発のための持続可能な観光の国際年」関連ページ(英語)
http://en.unesco.org/iyst4d

-国際年に寄せる事務総長メッセージ (英語)はこちら

* *** *