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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第92号】4/29付資料

2015年05月07日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第92号/2015429

◆事務総長 ヤルムーク・キャンプへの空爆を強く非難

事務総長429付の声明で、民間人が内部に残っている間は、ダマスカスのヤルムーク難民キャンプを攻撃しないとシリア政府が確約したにもかかわらず、28日に同キャンプへの砲撃と空爆が行われたことを強く非難しました。事務総長はシリア政府に対し、キャンプ内の民間人の生命を脅かしうるあらゆる軍事活動を直ちに停止し、国際法に基づく民間人保護義務を厳守するよう強く求めました。また、すべての当事者に対し、キャンプ内の民間人への安全かつ持続的な人道的アクセスが認められるよう、暴力行為を停止することを求めました。

―事務総長の声明は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=8597

 

◆人道支援担当の国連高官らが安保理でシリア問題について報告

シリア全土で人道的危機が悪化し続けるなか、ヴァレリー・エイモス人道問題担当国連事務次長424の安全保障理事会でブリーフィングを行い、この紛争によって22万人以上が死亡、760万人以上が避難民となり、約400万人が近隣諸国に避難したと改めて訴えました。「人々は集団的良心を揺るがしてしかるべき数字に対し、鈍感になっています」と事務次長は指摘し、この危機に人道的な解決策はなく、シリアにおける暴力を終結させられるのは政治的対話だけだと繰り返し述べました。そのうえで安保理に対し、学校や医療施設への攻撃停止を要求すること、これらの攻撃に関する調査団を義務付けること、人道的停戦の交渉を承認すること、加害者に対して犯罪は必ず罰せられるとの明確なメッセージを送ることを強く求めました。安保理でのブリーフィングには、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官アンジェリーナ・ジョリー・ピット国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)特使世界食糧計画アーサリン・カズン事務局長も同席しました。グテーレス高等弁務官は発言の中で、この紛争による地域的波及効果は劇的な規模に及んでいると警告し、「相互に連関したシリアとイラクの危機によって、いまや1,400万人が避難民となっています。その結果、紛争から逃れようとしているシリア国民のための保護スペースが徐々に劣化しています」と述べました。

―UN News Centre記事は以下をご覧ください。

http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50678#.VT5VEJPgW3Y

―エイモス事務次長の安保理報告の詳細は以下をご覧ください。

https://docs.unocha.org/sites/dms/Documents/24%20April%2015%20USG%20Sec%20Co%20Syria.pdf

 

◆安保理 シリア全土での人道的アクセスの拡大を要求

安全保障理事会はシリア問題に関するブリーフィングを受け、紛争の全当事者に対し、国境や紛争ラインに関係なく、人道的活動とアクセス困難地域での援助アクセスの拡大に直ちに協力するよう要求する報道声明を発出しました。安保理は声明の中で、シリア危機は現在、世界最大の人道的危機となっているとの警告を発しました。

―安保理議長の声明は以下をご覧ください。

http://www.un.org/en/ga/search/view_doc.asp?symbol=S/PRST/2015/10

 

◆国連の仲介による和平協議が5月にジュネーブで再開

ステファン・デ・ミストゥーラ シリア担当事務総長特使424の安全保障理事会で、ジュネーブ協議の再招集に向けた外交努力の進捗状況について報告しました。一方、国連ジュネーブ事務局(UNOG)は、各代表団は2012年ジュネーブ・コミュニケに関する立場を評価するための会合を5月第1週に開始すると発表しました。UNOGによれば、すでにシリア代表団および地域と国際社会の関係各国に招待状が発送されています。

―詳しくは以下をご覧ください。

http://www.un.org/press/en/2015/db150424.doc.htm

―ジュネーブ・コミュニケは以下をご覧ください。

http://www.un.org/News/dh/infocus/Syria/FinalCommuniqueActionGroupforSyria.pdf

 

 UNICEF 「チャイム・フォー・ザ・チルドレン・オブ・シリア」キャンペーンを立ち上げ

国連児童基金(UNICEF)親善大使で「チャイム・フォー・チェンジ」キャンペーン共同発起人のサルマ・ハエック氏は、425にレバノンのシリア難民キャンプ訪問後、シリア紛争で被害を受けた子どもと家族を支援するための募金キャンペーン「チャイム・フォー・ザ・チルドレン・オブ・シリア」の立ち上げに協力しました。UNICEFの推定によれば、被害を受けた子どもは地域全体で1,400万人にのぼり、うち260万人は学校に通えなくなり、200万人近くが近隣諸国で難民として生活しています。「何百万という子どもたちが子どもらしい暮らしや祖国を奪われ、愛する人を亡くしました。シリア紛争のために教育の機会を失い、家族を養うために働くことを余儀なくされています」とハエック氏は訴えました。

―キャンペーンの詳細は以下をご覧ください。

www.crowdrise.com/CHIMEfortheChildrenofSyria

―キャンペーンの詳細は以下をご覧ください。

http://reliefweb.int/report/lebanon/salma-hayek-visits-lebanon-unicef-raise-funds-syrian-refugees-through-gucci-s-chime

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

 国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

 国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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4月24日に安全保障理事会で行われたブリーフィングには、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)特使のアンジェリーナ・ジョリーさんも出席した。シリア紛争によって22万人以上が死亡、760万人以上が避難民となり、約400万人が近隣諸国に避難している©UN Photo/Mark Garten
国連児童基金(UNICEF)親善大使のサルマ・ハエック氏は、シリア紛争で被害を受けた子どもと家族を支援するための募金キャンペーン「チャイム・フォー・ザ・チルドレン・オブ・シリア」を立ち上げた©UNICEF