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国連子ども特別総会への道
~背景説明~

プレスリリース  01/69-J 2001年09月10日

 2001年9月に開催される国連子ども特別総会は、数千人の子どもと若者を含め、世界中の数万人の参加者による数百回の会合を経た、国際会議としてはこれまで最も広範にわたる準備活動のいくつかが結実したものである。それ自体、顕著な出来事となったこれら会合には、ハイレベル協議、ならびに、国内、地域およびグローバル・レベルでの長期にわたる討論が含まれていた。

 準備活動は1999年12月7日、総会決議54/93により、この画期的な特別総会を9月19日から21日にかけ、ニューヨークで開催する旨の決定が下されたことによって正式にスタートした。

 このプロセスはピラミッドの形に例えることができよう。その基盤には、各国が子どものための進歩あるいはその欠如を自ら評価した165件の国内審査がある。国連児童基金(UNICEF)によって促進されたこれら各国の現状把握は、特別総会の議題を決定する一連のミニ・サミットへとつながった。そのいくつかは地域レベルで開催される一方で、国連本部ではグローバルな準備会合が開催された。最終段階となる特別総会自体は、初めて子どもの問題を取り扱うものであり、数十カ国の首脳の参加を得て、子どものための国際的行動の新たな時代の幕開けを告げることになろう。

 正式な準備プロセスの進展と同時に、子どものための公共キャンペーンが世界中で行われているが、その結果は9月の特別総会会期中に指導者たちに提示される予定である。「子どものためにイエスと言おう」と呼ばれるこのキャンペーンは、人々に対し、子どものための10の基本原則に対する支持の誓いを要請するものである。インターネットと開発途上国での書面投票を通じ、2,000万件を超える誓約が集められている。キャンペーンにより、通常の関係者以外の人々が子供たちの将来に関する議論に参加することだけでなく、世界中の人々がこの問題を検討し、その見解とコミットメントを表明することが可能になっている。
初期会合
 最も重要な準備会合は、政府、非政府組織(NGO)および国連機関の代表が参加し、2つの流れに分けて開催された。6回にわたる地域会議では、各代表が協調的な行動に向け、局地的な優先課題と機会を検討したが、これは宣言文で明確に表明されている。

 同時に、国連はニューヨークで、準備委員会(プレップコム)とよばれる企画会合を3回にわたって開催したが、ここでは政府が特別総会の議題を設定し、宣言および行動計画の案文の検討を行った。これら各々の準備会合には、国連機関、NGOおよびさまざまな子ども問題の専門家が参加し、意見を提供した。

地域会議および宣言
 6つの地域会議では、政府が自国の子供たちに対するコミットメントに関する報告を提示した。これら報告には、各国の現在までの進捗状況と今後の課題がまとめられていた。報告は地域的討議のたたき台づくりに役立ったほか、コフィー・アナン国連事務総長にも提出されて分析が行われ、子どものための進歩に関するその10年間の総括に含められた。

 政府に加え、6つの地域協議にはそれぞれNGO、財界代表、国連機関および子ども達自身も参加した。

-2000年10月には、ジャマイカのキングストンで「子どもと社会政策に関する第5回閣僚級会合」が開かれ、「キングストン合意」がまとめられた。その翌月には、第10回イベロアメリカ・サミットで「パナマ宣言」が採択された。

-2001年5月にカイロで開催された汎アフリカ・フォーラムでは、「子どもに関するアフリカ共通の立場」ができ上がった。

-同じ2001年5月には、21カ国の代表が北京での「第5回東アジア太平洋閣僚級協議」に出席し、「北京宣言」を採択した。

-ヨーロッパと中央アジアの52カ国およびバチカン市国の代表は2001年5月にベルリンで会合を開き、「ベルリン・コミットメント」を発表した。

-2001年5月にカトマンズで開かれた「子どもへの投資に関する南アジア・ハイレベル会合」には、7カ国の代表団が参加し、「カトマンズ了解」を発表した。

-モロッコのラバトでの「子どもに関するアラブ地域社会フォーラム」では、21カ国の代表が一堂に会し、「ラバト宣言」が採択された。

 これらの文書は地域レベルにおける子どもに対する政府の最新のコミットメントを示すものであり、ウェブ上でもwww.unicef.org/specialsessionで閲覧できる。

準備委員会会合(プレップコム)
 準備委員会では、国連加盟国代表との協議が行われ、特別総会の正式議題が定められたほか、成果文書案の文言が討議された。委員会は組織会合を1回、実質会合を3回開催した。これら準備会合は、特別総会の最終宣言および行動計画に関する重要な交渉の期間となった。

 各準備委員会の会合は、全体会合での政府代表間の討議、および、NGOなどが参加するパネルその他の副次的行事から構成された。準備委員会の初回会合は2000年2月(組織会合)、2回目は2000年6月初旬(第1実質会期)、3回目は2001年1月(第2実質会期)にそれぞれ開催された。第4回目の最終会合は2001年6月に開会したが、これには閣僚および50人以上の各国首脳個人代表を含め、政府のハイレベル代表が出席した。最終会期は休会中であるが、8月下旬に再開され、特別総会の準備が完了することになっている。

文書
 特別総会のプロセスは、2件の文書の採択を以って終結する予定である。うち一つは、子どものためにこの10年間に達成された進歩を再検討するものである。もう一つは、来る10年間における子どものための新たな具体的課題を示すものであり、指導者には、これに対するコミットメントを表明することが期待されている。これら2件の姉妹文書はともに、特別総会の意図された成果に不可欠な部分を構成している。

 第1の文書はすでに公表されている。「We the Children(わたしたち子ども)」と題するこの事務総長報告書は、1990年の「子どものための世界サミット」で世界の国々が最初の共同コミットメントを行って以来の10年間の実績を審査したものである。事務総長報告書はまた、同サミットで定められた目標に関する国別のフォローアップ報告を総合し、今後の行動に関する勧告も行っている。報告は2001年6月の準備委員会会合で発表され、各国政府およびその他関係者による再検討に付されている。

 事務総長報告は、特別総会の成果文書案のたたき台となる。「A World Fit for Children(子どもにふさわしい世界を)」と題するこの成果文書案は、今後10年間に向けた国連全加盟国による宣言および行動計画である。特別総会では、文書の最終案文の作成と合意が予定されている。

 完成した成果文書は、子どものために行動するという世界の指導者たちによる誓約を新たにするという、特別総会の主な目標を体現することになろう。慎重かつ執拗な交渉の末、現在までに案文の3分の2は承認を受けており、残りの部分についても、幅広い合意が出来上がりつつある。非公式協議は総会自体の開会まで続けられる予定である。NGOもまた、文書について広範な意見の提供を行っているが、中には、代替的な文書案を発表しているものもある。

今後の予定
 今後4週間で、特別総会準備の最終的な詰めが行われる。8月20日現在、78カ国の首脳が出席の意向を表明しているが、この数はさらに増えるものと見られる。今回の特別総会は、これまでの国連会議の中で最も幅広いものとなる予定であり、ノーベル賞受賞者、企業の最高経営責任者、芸術家と作家、子どものための草の根指導者、および、国連とUNICEFの親善大使20名も参加することになっている。

 8月27日には、ニューヨークの国連本部で、成果文書に関する非公式協議が再開される。8月27日の週には、現在から特別総会までに解決および合意すべき主要問題に関する別の記事資料が発行される予定である。

 UNICEFは9月13日、ニューヨークでその最重要報告書「The State of the World Children(世界子ども白書)」を発表する。この報告書は、今日における世界の子どもの全体像を提示し、子どものためのリーダーシップの成功例と失敗例を検討するものである。報告書は8月27日の週に、部外秘扱いでジャーナリスト向けに提供される予定である。UNICEFオンライン・プレスセンター(www.unicef.org/media/presshome.htm)を閲覧のこと。

詳しくは以下にお問い合わせください。
Patsy Robertson (Special Session Media) – New York +1 (212) 326-7270
Liza Barrie (UNICEF Media Chief) – New York +1 (212) 326-7593
Alfred Ironside (UNICEF) – New York +1 (212) 326-7261
Shima Islam (UNICEF) – New York +1 (212) 824-6949
Wivina Belmonte (UNICEF) Geneva (41-22) 909-5509
Laufey Love (United Nations) New York +1 (212) 963-3507