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第2回高齢者問題世界会議
マドリード、スペイン、2002年4月8~12日

プレスリリース 01/85-J 2001年10月12日

すべての世代のための社会をめざして

第2回高齢者問題世界会議準備委員会
ニューヨーク、2月26日~3月2日
背景記事資料

高齢化と開発のメインストリーミング(積極的優遇措置)
高齢化に関する修正国際行動計画

  2002年にマドリードで第2回高齢者問題世界会議が開かれる頃には、世界人口の高齢化は21世紀を決定づける特徴かつ課題の一つとして、世界の注目を集めていることであろう。20年前にウィーンで開かれた第1回高齢者問題世界会議における実質協議では、先進諸国における高齢化が際立った存在であった。これは引き続き、きわめて重要な問題ではあるが、2002年までに、高齢者の大半は開発途上国に暮らすことになり、高齢化社会の進展を支えるとともに、老年期までの福祉を確保しようとする多くの政府の制度的枠組みと能力は、さらに大きな挑戦にさらされるものと見られる。

特に開発途上地域で生じつつあり、来る数十年間にさらに進行が予測される世界的な高齢化のスピードと規模に対する懸念が高まる中、国連は2月26日から3月2日にかけ、ニューヨークの国連本部で第2回高齢者問題世界会議のための第1回準備委員会を開催する。そのねらいは、世界的高齢化への対策を1982年の行動計画より一歩推し進めるとともに、世界中の高齢者のニーズに加え、特に開発途上国における高齢化の劇的な勢い、および、開発と制度に対するその影響にも取り組むことにある。

政府、国連機関、政府間機関および非政府組織がニューヨークの準備委員会において一堂に会する中、世界中の関心は、事務総長の報告書「第2回高齢者問題世界会議に向けて」で提示された高齢化に関する国際行動計画の第1次修正案に向けられることになろう。この報告書は、1982年の行動計画採択以降に生じた人口学的、社会的および経済的変化に照らし、国際社会が21世紀に向けた世界的高齢化社会の優先課題を推進しようとする中で提出されたものである。

1982年の行動計画は、幅広い意味で顕著な成果であることを認めた上で、報告書は、その勧告が主として当時、人口構成の変化のもっとも明白な兆候が現れていた先進地域のニーズと状況に適したものであったとしている。その20年後、世界的な高齢者の急増と、開発途上国における高齢化の加速により、高齢者問題は世論の関心の的となり、明らかに開発途上地域をも巻き込むものとなった。

こうした背景から、計画修正案は、異なる発展段階、ならびに、社会的、経済的および文化的多様性を考慮しながら、開発途上社会における高齢化の見通しへの関心の集まりを反映するように作成されている。よって、修正案の中では、先進国、開発途上国および経済体制移行国の区別はなされていないものの、各地域が直面する特殊な課題についての取組みは行われている。この方向性はいくつかの理由から奨励、支持されている。特定的な問題や課題は一定の国および地域に固有のものであることは明らかだが、それぞれの内部でも大きな差異が存在する。実際、変革と移行は今日、各国および地域、さらには国際社会全体の最も顕著な特徴となっている。特に、グローバルなコミュニケーションが世界中の人々と文化を結びつける規模に達する中で、各地域はますますその多様性を強めている。よって、先進国、開発途上国、経済体制移行国を問わず、ある問題をすべての国々に普遍的に当てはまるものとしてグループ分けすることは、有害とは言わないまでも、ますます困難になっているのである。

報告書で指摘されたとおり、行動計画は高齢化の分野での政策企画担当者およびその他の利害関係者にとっての資源としなければならない。それは、政策立案者がそれぞれの国で高齢化の問題に十分に取り組む能力を高める実用的な設計図の構築に資すものとしなければならない。それはまた、高齢者の生活の質を向上および維持するための枠組みとしなければならないが、特に開発途上国と経済体制移行国において、このような改善は急を要している。行動計画は、各国における実効的な組織のプロセスを作り上げることはできないが、パターンを把握し、古い仮定に立ち向かい、来る10年間に向けて、よりバランスの取れたアイデアの組合せを図る政策立案者の作業を助けることにより、このプロセスの適用範囲と体制を強化することができる。

このことに留意し、社会全体で高齢化と発展のメインストリーミングを図ることの重要性は、計画修正案の全体を通じて強調されている。よって、準備委員会の参加者には、すべての世代のための社会を構築する上で最も重要なのは、世界の高齢者全体をあらゆるレベルで、発展プロセスと切り離せないパートナーとすることであるという、これまでの知識の蓄積によって確認されてきた事実を認識することが期待されている。
詳しくは以下にお問い合わせください。
Ageing Unit, UN Department of Economic and Social Affairs
電話:(212) 963-0500
ファックス:(212) 963-3062
電子メール:sidorenko@un.org

あるいは
Development and Human Rights Section
UN Department of Public Information
電話:   (212) 963-3771
ファックス:(212) 963-1186
電子メール:vasic@un.org

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第2回高齢者問題世界会議
マドリード、スペイン、2002年4月8~12日

すべての世代のための社会をめざして

ファクトシート

人口革命

「私たちは人口学を越え、経済的、社会的、文化的、心理学的および精神的に重要な意味合いを持つ静かなる革命の只中にいる。」
 コフィー・アナン国連事務総長、1998年10月1日の国際高齢者年の開始に寄せて

「人口年齢構成の大変動」、「新国際年齢秩序」。世界の劇的な人口高齢化を指して、このような言葉が用いられている。全世界の60歳以上人口の比率は2000年から2050年にかけ、10%から22%へと倍以上に増え、その時点で子ども人口(0~14歳)の割合と肩を並べると見られている。高出生・高死亡率から低出生・低死亡率への歴史的な人口構成の移行は、人類の歴史上初めて、高齢者と若者が人口の等しい割合を占めるという事態をもたらすだろう。

先進地域では、高齢者の数が子どもの数をすでに上回り、出生率は人口補充水準を下回っている。一部の先進国では2050年までに、高齢者の数が子どもの数の倍を上回ると予測されている。

しかし、実際の「年齢大変動」に襲われつつあるのは開発途上国であり、その人口は21世紀全般に急速な高齢化を遂げると見られる。高齢者の割合は2050年までに8%から21%に上昇する一方で、子どもの割合は33%から20%へと低下する。この数字だけでも十分に劇的であるが、さらに切迫しているのは、高齢化のプロセスが急激なペースで進んでいること、および、今後30年以内に、世界の高齢者人口のうち4分の3が開発途上国で暮らすことになるという事実である。1982年の高齢者問題世界会議の時点では、高齢者の大半が先進地域に暮らしていた。しかし、開発途上地域では、都市化の進行にもかかわらず、高齢者の大半が引き続き、農村部で暮らすことになるのである。

若者から高齢者へという、このような急激かつ濃密な人口の重点の移動は、先進国におけるより少ない人口の緩やかで長期的な高齢化とは異なり、多くの開発途上国が極めて大きな人口を抱えながら高齢化を迎えることを意味する。西欧のいくつかの国々では、20世紀にその高齢者人口が倍増するまで100年強を要したのに対し、21世紀には、一部の開発途上国でこれと同じことがほんの25年あるいはそれよりも短い間に起こると見られる。急速な高齢化の影響は、健康管理、雇用・労働市場、社会保障および経済成長を含め事実上、政府と社会のあらゆる領域に影響を及ぼす。突然の人口構造の変化は、開発途上国での驚くべき貧困率と資源の先細りとあいまって、高齢者の社会への参加と社会的統合を増大させるための革新的アプローチを考慮した政策を策定する必要性をさらに高めている。このような高齢者数のかつてない増大に対応する新たな政策は、家族という社会経済的組織の中で緊張を緩和する助けとなろう。

どのような規模の変化が発生しうるかは、すでに明らかになりつつある。最も望ましい成果を達成するための試みは、社会基盤における幅広い変動に先行する人口動態が、高齢者の数限りない貢献をどのように活用するかに関する斬新な議論と政策行動をも必要としているという認識によって推進されなければならない。

長寿の突破口
人間の寿命は20世紀に歴史的な伸張を見た。医学の知識と技術の進歩により、過去50年間に、全世界の平均余命は約20年延び、66歳に達した。すでに、約100万人が毎月、60歳に達しているが、その80%が開発途上国の人々である。高齢者のうち最も急激に増加しているのは、80歳以上の高年齢高齢者である。その数は7,000万人に達しており、今後50年間で現在の5倍に増えると見られている。女性の高齢者は男性を上回っているが、その傾向は年齢が高くなるにつれて強まる。今日、60歳超の女性100人に対し男性は81人であるが、この数字は80歳以上につき、女性100人に対し男性53人へと低下する。

このような高齢者人口の増大は、単なる加齢を超え、極めて複雑かつ多様な方向性へという個人生活の顕著な変化を表している。社会全体及び個人個人からは祝福されるものの、長寿は生活の質と健康的な加齢の問題、年齢と社会的統合、女性高齢者の状況、および、長い人生を通じた支援と集団的安全の醸成にとって、大きな意味合いを有する。このような高齢期に生じる問題には、慎重な注意を向ける必要があることは明らかだが、だからといって、貧困と病気による身体的な衰弱に蝕まれる多くの人々にとって、高齢期が早く訪れるという、開発途上地域の各所に見られる厳しい現実が覆い隠されるべきではない。長引く経済的・心理社会的困窮は、HIV/エイズ禍とあいまって、サハラ以南アフリカをはじめとする数カ国の平均余命の伸びを逆転させている。

政策的考慮
20世紀の大半を通じ、高齢者政策は若々しい社会を念頭に策定されてきた。今後の高齢者、若者およびその中間年齢層に関する政策は、高齢化社会、すなわち、間もなく人口の3人に1人が60歳超となる社会を念頭に策定しなければならない。国際、国内および地域社会は今から、そのインフラ、政策、計画および資源の調整と調節を始めなければならないのである。

経済的投資はもちろん、社会と人間への投資を含む政策的介入は、高齢者個人についても、今後の高齢化社会についても、不必要な依存の発生を食い止めることができる。前もって賢明な投資を行えば、高齢化を資源の流出から人的、社会的、経済的および環境的資源の蓄積へと変えることができる。

最終的には、個人の一生を通じて発現する独自性の認識は、社会に高齢者の貢献を認識させる上での核となる。年齢とともに得られることが多い知識、知恵および経験の「パッケージ」は、取引することも、売却することも、盗むこともできない内なる意識の一部である。しかしそれは、社会のあらゆる四辻、畑および店頭で、また、私たちの創作的想像性のウィンドウにおいて活性化、増幅および活用すべきものなのである。

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第2回高齢者問題世界会議
マドリード、スペイン、2002年4月8~12日

すべての世代のための社会をめざし

背景資料

第1回高齢者問題世界会議の成果:過去の再検討と将来の再想像

2002年4月のマドリードにおける第2回高齢者問題世界会議の準備として、国連は、1982年にオーストリアのウィーンにおける高齢者問題世界会議で承認された「国際行動計画」実施の進捗状況とその障害を評価するため、加盟国の調査を行った。この調査の結果はまた、来る特別総会における修正行動計画で取り組むべき高齢化に関する優先課題の判別をも助けることになろう。

第1回高齢者問題世界会議以降の進捗状況
第1回高齢者問題世界会議以降の進捗状況は一様でなく、利用できる資源、優先順位およびその他の要因における差異を反映し、国によって異なっている。高齢化に関する国内インフラの整備、高齢者に対する保健と住宅提供および所得安定の改善、ならびに、高齢者の社会参加など、いくつかの分野においては進歩が達成された。

その他の調査結果をまとめると以下のとおり。
● ほとんどの先進国では、高齢化に関する国内の調整メカニズムが確立されている。開発途上国と経済体制移行国では、このようなインフラ整備は異なる水準にある。これらの調整メカニズムを通じ、高齢者の状況に関連する法律、政策、計画およびプロジェクトが策定されている。回答国の過半数は、国連総会が1991年に採択した「高齢者のための国連原則」を、自国の計画を策定する際の重要な指針と考えていた。

● 開発途上国と経済体制移行国では、ヘルスケアの提供が改善され、インフォーマル・ケアおよび在宅ケア・プログラムが導入されていた。一部の先進国は普遍的な保険システムを作り上げ、インフォーマルおよび在宅ケアを改善させ、老人病の問題に関する保健専門員を養成していた。

● いくつかの国々は、ホームレスをはじめとする高齢者に住宅を提供し、長期滞在型居住施設を設置している。その他の国々の中には、例えば、公共輸送料金の割引により、高齢者のアクセスと移動の可能性を拡大したものもある。

● いくつかの大学では、高齢者の現状に関する報告書の刊行を含む高齢化研究に加え、老年学の大学院課程が設置された。

● 高齢化に対する意識を高めるため、各国政府は教育プログラムに高齢化の情報を組み入れ、マスメディアおよび非政府組織(NGO)に高齢化の課題を推進するよう協力を要請している。一部の国々では、国民的な高齢者の日および国際高齢者年の祝賀行事が、高齢者の現状に対する認識を高める上で重要な第一歩となった。

● 年金制度と社会保険制度(普遍的、限定的あるいは自発的なもの)は、いくつかの国々において、高齢者の所得安定の手段となっている。一部の開発途上国は年金制度を実施したり、例えば、給付の物価スライド制あるいは一時金支給の導入により、高齢者のニーズによりよく応えるため、国内の年金制度を改革したりしている。

● 各国政府は職業訓練、就職斡旋、退職制度の改革および雇用に際する年齢差別からの保護を含め、高齢者の雇用を支援する政策を促進している。

● 女性高齢者のための政策は、回答国58カ国のうち19カ国で制度化されていたが、そこでは経済的安定と男女平等が焦点の一つとなっている。

● 回答した非政府組織(NGO)の中には、唱道、能力建設および開発援助において目覚しい貢献をしているものがある。国連主体および政府間機関からの回答によれば、重要な国際政策文書では、高齢者問題のメインストリーミングが図られている。

変革の使者
高齢者は自ら、社会に積極的な参加と貢献を行い、高齢者は単なる依存者だという認識を変えつつある。例えば、ほとんどのアフリカ諸国では、HIV/エイズ犠牲者の孤児の世話はほとんど高齢者が行っている。高齢者はまた、慈善団体あるいはその他の組織にとっての奉仕者やボランティアともなっている。さらに、コミュニティーあるいは国家の開発計画に際する顧問となったり、訓練教官や教育者を務めたりすることもある。ほとんどの農業国では、高齢者は農作業に従事し、意思決定を行う存在である。また、家族における資金移転源だけでなく、プロダクティブ・エイジングやアクティブ・エイジングの役割モデルとなっている例もある。

政府に加え、非政府組織(NGO)、宗教団体、学術機関、同業者団体、女性擁護団体、労働組合、そしてもちろん家族や個人など、その他の主体も高齢者の役割推進に大きく貢献している。企業もまた、一定の限られた役割を果たしているとの報告があった。

課題と障害
1982年の「高齢化に関する国際行動計画」は、健康と栄養、高齢消費者の保護、住宅と住環境、家族、社会福祉、所得の安定と雇用および教育の7つの分野に関する勧告を含んでいる。中でも、住宅と住環境、所得の安定と雇用および高齢消費者の保護は、最も取組みが難しい問題と見られる。

資金の不足は、行動計画の勧告を実施する上で大きな障害である。経済的諸困難、武力紛争および自然災害は、高齢化問題への資金の利用を制約した。ほとんどの開発途上国では、公務員の不足も共通して見られる問題である。機関間の調整不足、責任の重複および政策立案専門家の不足もまた、計画の実施を妨げている。

将来の優先的行動課題
加盟国は計画の修正において、以下の問題への取組みを提案している。
● 高齢者の社会参加、政治的代弁および社会への組入れ
● 世代間の連帯                            - _ 
● 若年層の移住とその高齢者への影響
● 虐待と暴力からの高齢者の保護
● 農村部あるいは少数民族集団に属する高齢者に対するより一層の配慮
● 高齢期の健康と福祉の改善を目指す生涯設計の促進

非政府組織(NGO)および政府間機関からの勧告としては、以下があげられる。
● 人口パターン、技術および生体臨床医学研究の動向を反映するよう、政策的行動の領域を広げること
● 世界社会開発サミット、第4回世界女性会議およびそれらのフォローアップ構想で合意されたものなど、グローバルな誓約に行動計画を連動させること
● できれば地域ごとの進捗状況と困難の評価に基づき、開発途上国の特定的な関心事項を盛り込むこと

加盟国は、行動計画の目標を達成する上で、国際協力は必要な側面であることを認識した。

大半の国々は国連機関と地域機関、国際非政府組織および民間の財団との多角的パート
ナーシップを選択している。

加盟国は国際協力につき、以下の優先領域を明らかにした。
● 政策とプログラムの策定、監視および評価
● 政策とプログラムの開発を支援する研究
● 保健および社会福祉専門員の訓練
● 所得創出プロジェクトの確立
● 最良慣行に関するアイデアの交換

国際非政府組織と国連は、開発途上国における今後の行動につき、ヘルスケアと介護、人権の保護、社会保障制度、女性高齢者の関心事項、移住、および、慢性的非伝染性障害とHIV蔓延の影響を優先課題としている。

ウィーンからマドリードへ
ウィーンでの第1回高齢者問題世界会議から20年を経た今、各国は高齢者のヘルスケアと所得の安定などの領域を含め、国内の政策およびプログラムの策定と実施において進歩を遂げている。にもかかわらず、今後さらに挑戦と機会が控えている。

来るマドリードでの会議では、開発途上国、先進国および経済体制移行国が直面する現状と今後の課題を反映した修正行動計画を求める国際的な声に対応が図られることとなろう。また、グローバルな高齢化を発展というさらに大きな文脈に統合し、より幅広い生涯設計の中で高齢者の現状に対処する必要性も高まっている。よって、全体観的で公平なアプローチに基づく政策枠組みには、1982年以降に得られた知識、研究および経験を含めなければならない。21世紀に向けた課題はまさに、その将来と不可分の一体をなすものとして人口の高齢化を受け止め、将来にすべての世代のための社会を達成する上で不可欠なパートナーとして高齢者を迎え入れる社会を実現することにある。

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第2回高齢者問題世界会議
マドリード、スペイン、2002年4月8~12日

すべての世代のための社会をめざして

記事資料

第2回高齢者問題世界会議で採用される公式ロゴ

国連広報局、国連経済社会局および第2回高齢者問題世界会議の受入国であるスペイン政府は、第2回高齢者問題世界会議で採用される公式の国連ロゴを発表した。

ロゴのデザインは、1999年の世界高齢者年のロゴをモチーフにしている。これは広報局が国連経済社会局と協議して作成したものであり、活力、多様性および相互依存、ならびに、運動と前進を表現する同心線から構成される。

この線に活力が反映されていることは、健康的なライフスタイルによって可能となった高齢者の心理的・精神的能力の増大を物語る。生涯を通じて得た経験は、あらゆる社会における高齢者に見られる幅広い多様性の源泉となっている。この活力と多様性の組合せは、「高齢者のための新時代」および「新時代における高齢者」という現実の双方の到来を告げるものと考えられている。

花弁のような同心線は、各世代の独立性と相互依存性に注意をひきつけるものであるが、この2つの要素があいまって、励まし、能力の付与およびケアという動的な互助関係が形成されるのである。家族、コミュニティおよび社会全体で成立するこのような相互性は、国際高齢者年のテーマである「すべての世代のための社会をめざして」へと進む歩みを駆り立てる原理である。

国連総会は、1982年にウィーンで開かれた第1回高齢者問題世界会議の20周年にあたる2002年に、第2回高齢者問題世界会議を招集することを決定した。スペインが受入国となる第2回会議では、現状の高齢化のプロセス、ならびに、各社会の社会的、文化的および経済的現実に対するその影響を認識しながら、第1回会議の成果を再検討し、1982年の行動計画を修正することになっている。総会決議は国際社会に対し、部門と国家を横断する協力を促進すること、ならびに、すべての世代のための社会を作り出す努力の一環として、開発関係者、メディア、民間セクターおよび若年世代に手を差し伸べることを要求している。

国連の諸計画は一貫して、高齢者の社会への可能な限りの参加、および、そのニーズと関心事項の把握を推進してきた。総会は1982年、同年6月26日から8月6日にかけてオーストリアのウィーンで開催された高齢者問題世界会議が採択した「高齢化に関する国際行動計画」に支持を表明した。その後、総会は1991年、「高齢者のための国連原則」を採択している。第2回世界会議は、1999年の国際高齢者年によって生まれた発意と勢いを維持するため、高齢化の課題に取り組む上で行動志向の性格を有することになる。

ロゴの電子コピーあるいはハードコピーについては、以下にご照会ください。
Development and Human Rights Section,
Department of Public Information
電話:   (212) 963-8104
ファックス:(212) 963-1186

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第2回高齢者問題世界会議
マドリード、スペイン、2002年4月8~12日

すべての世代のための社会をめざして

高齢者のための国連原則

「高齢者のための国連原則」は1991年12月16日、国連総会によって採択された(決議46/91)。各国政府はできる限り、これを国内プログラムに盛り込むことを促された。原則の要点は以下のとおり。

自立(independence)
 高齢者は、
● 所得、家族とコミュニティの支援、および、自助を通じ、十分な食糧、水、住まい、衣服およびヘルスケアへのアクセスを有するべきである。
● 労働の機会、あるいは、その他の所得創出機会へのアクセスを有するべきである。
● 労働力からの撤退をいつ、どのようなペースで行うのかの決定に参加できるべきである。
● 適切な教育・訓練プログラムへのアクセスを有するべきである。
● 安全で、個人の嗜好と能力の変化に対応できる環境に住めるべきである。
● できる限り長く自宅に住めるべきである。

参加(participation)
高齢者は、
● 社会への統合状態を持続し、その福祉に直接に影響する政策の形成と実施に積極的に参加し、その知識と技能を若年世代と共有すべきである。
● コミュニティに奉仕する機会を模索、発掘するとともに、その関心と能力にふさわしい立場で、ボランティアの役割を務めることが可能となるべきである。
● 高齢者の運動あるいは団体を形成できるべきである。

介護(care)
 高齢者は、
● 各社会の文化価値体系に沿って、家族とコミュニティのケア、および、保護を享受すべきである。
● 最適レベルの身体的、精神的および感情的福祉の維持あるいは回復を助け、発病を防止あるいは遅延するヘルスケアへのアクセスを有するべきである。
● その自立、保護およびケアを向上させる社会・法律サービスへのアクセスを有するべきである。
● 保護、リハビリ、および、人間的かつ安全な環境における社会的・精神的な刺激を提供する施設での適切なレベルのケアを利用できるべきである。
● いかなる居住施設、ケアあるいは治療施設に住む場合でも、その尊厳、信条、ニーズおよびプライバシー、ならびに、その医療および生活の質に関する決定を行う権利の十分な尊重など、人権と基本的な自由を享受できるべきである。

自己実現(self-fulfilment)
高齢者は、
● その潜在能力を十分に開発する機会を追求できるべきである。
● 社会の教育、文化、精神およびレクリエーション資源にアクセスできるべきである。

尊厳(dignity)
 高齢者は、
● 尊厳と安全の中で生活し、搾取および身体的あるいは精神的虐待を受けないでいられるべきである。
● 年齢、性別、人種あるいは民族的背景、または、障害やその他の地位に関わらず、
  公正な取扱いを受け、その経済的貢献に関係なく評価されるべきである。

Published by the United Nations Department of Public Information
DPI/2182 – February 2001

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2002年の第2回世界会議までの主な行事と会合

2001年

8月17~19日: SAARC諸国の政府とNGO代表による第2回高齢者問題世界会議準備協議。プネ、インド。
9月10~12日: 高齢化に関するECE閣僚級会議専門家会合。スペイン。
9月26~29日: 第2回高齢者問題世界会議のためのESCAP地域準備協議。マカオ。
10月4日: 国際高齢者デー、国連本部で終日行事。総会第3委員会会期中にパネルを含むその他の行事が予定される可能性あり。
10月8~10日: 地域的実施戦略案作成のためのECE専門家トラック・ミーティング。ウィーン、オーストリア。
10月29~31日: 人口高齢化と開発:貧困高齢者を中心とした社会、健康およびジェンダー問題に関する専門家グループ会合。UNFPA/高齢化に関するプログラム/ヘルプエイジ・インターナショナル/AARP、マルタ。
11月19~23日: 第2回高齢者問題世界会議のための地域準備会合。サンタクルス、ボリビア。
11月26~28日: NGOおよびその他の市民社会組織による協議「南からのコミュニティの声」。ヘルプエイジ・インターナショナルおよび高齢化に関するプログラム、チェンマイ、タイ。
12月10~14日: 第2回高齢者問題世界会議準備委員会再開第1会期

 

2002年

 

2月: 第2回高齢者問題世界会議準備委員会第2再開会期。加盟国は高齢化に関する国際行動計画修正案を審議。
4月4~9日: 高齢化に関するNGOフォーラム。マドリード、スペイン。
4月8~12日: 第2回高齢者問題世界会議。マドリード、スペイン。
9月11~13日: ベルリンでの高齢化に関するECE閣僚級会合で、地域行動計画の採択、および、修正国際行動計画の地域およびグローバル・レベルでの実施の検討を予定。