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国連海洋会議が閉幕:各国、健全な海洋環境の回復に向け、断固とした緊急対策へ

プレスリリース 17-026-J 2017年06月14日

海洋の環境破壊を逆転させる措置の必要性にすべての加盟国が合意

2017年6月9日-国連加盟193カ国は5日間にわたる国連海洋会議の閉幕にあたり、海洋環境の劣化を食い止め、逆転させるための一連の対策に全会一致で合意しました。この成果文書は、1,300件を超える行動へのコミットメントとともに、海の管理と保全に対するグローバルな取り組みに向けた突破口となります。

この種の問題に関するものとしては初の国連会議となる今回の海洋会議は、海洋汚染から違法漁業と魚の乱獲、海洋の酸性化から公海におけるガバナンスの欠如に至るまで、幅広い海洋問題に対するグローバルな認識を高める場となりました。すべてのステークホルダーが議論に参加したことで、国連海洋会議では、包括的かつ実行可能な範囲の解決策が生まれました。

ピーター・トムソン国連総会議長は「国連海洋会議は、私たちの海との関係を変えるものとなりました。今後は誰も、人間が海洋の健全性に対して及ぼしている悪影響を知らなかったとは言えなくなります。私たちはいま全世界で、海とのバランスの取れた関係と、海への敬意を取り戻そうと努めているのです」と語っています。

国連海洋会議の事務局長を務める呉紅波(ウ・ホンボ)国連経済社会局担当事務次長は、今回の会議が、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて重要な一歩となったとしたうえで、次のように述べました。「加盟国やNGO、市民社会、民間セクター、科学界、学術界からの参加者は、幅広い問題について討議し、海洋科学と関連課題に関する最新の知識と情報を共有しました」

「会議参加者は、多くの革新的な解決策を発表、提案しましたが、これらはSDGsの目標14だけでなく、相互連関を通じてSDGsの他の目標やターゲットの達成にも役立つと確信しています」

会議の成果

現在と将来の世代の福祉は、海の健全性や生産性と表裏一体であるとの認識のもと、各国は全体として「私たちの集団行動が人間と地球、そして私たちの豊かさに有意義な変化をもたらすことを確信し、断固とした緊急の行動を起こす」という「行動の呼びかけ(Call to Action)」(http://bit.ly/2rbdtqi)に合意しました。

国連海洋会議のパートナーシップ対話では、海が直面している数多くの問題や課題を中心とする話し合いが行われましたが、すべての参加者は、こうした課題を克服するための解決策やコミットメントを提示しました。

「行動の呼びかけ」は9日、解決策の拡大を中心とする7回のパートナーシップ対話に関する報告書と、行動に向けた自主的コミットメントとともに、国連海洋会議の閉幕時に正式に採択されました。

各国は「行動の呼びかけ」で、ビニール袋や使い捨てプラスチック製品をはじめ、プラスチックとマイクロプラスチックの利用を減らすための長期的かつ本格的な戦略の実施に合意しています。また、海洋と沿岸部の酸性化、海水面と海水温の上昇、さらには気候変動が海洋に及ぼすその他の悪影響に取り組む効果的な適応・緩和措置の策定と実施についても、合意ができ上がりました。「行動の呼びかけ」ではさらに、気候変動に関するパリ協定の重要性も認識されています。

「行動の呼びかけ」には、マングローブ、潮汐湿地、海草、サンゴ礁などの沿岸・ブルーカーボン生態系や、さらに幅広く相互連関する生態系を保護するとともに、できる限り短期間で魚種資源を少なくとも最大の持続可能な漁獲水準に回復することを含め、持続可能な漁業管理を強化するための措置が盛り込まれています。各国は、過剰漁獲能力や乱獲を助長する一定種類の漁業補助金を全面的に禁止し、違法・無報告・無規制(IUU)漁業を助長する補助金を廃止するよう要請されています。

一方の自主的コミットメントは「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」というSDGs目標14の達成に必要なすべての問題に取り組むものとなっており、下記をはじめとする顕著な成果が生まれています。

  • 国連海洋会議で表明されたコミットメントにより、2020年までに全世界の海洋面積の10%以上を保護区とするめどが立ちました。自主的コミットメントが実施されれば、海洋保護区は現在よりもさらに4%広がることになります。
  • 多くの国は、買い物用ビニール袋など、最終的に海に投棄されることが多いさまざまな使い捨てプラスチック製品を削減または禁止するための措置を発表しました。
  • 陸上活動の結果として海に流入する下水や汚染物質の量を削減するため、取り組みの強化を表明した国も多くあります。
  • コミットメントの多くは、海に関する科学的知見を拡大するとともに、海洋関連の課題に取り組む革新的な技術を開発、共有することを主眼としています。
  • 漁業の保護と管理を目的とする新たなコミットメントも生まれました。特定漁業について「漁獲禁止」水域の設置を発表した国もあります。
  • 消費者が持続可能な漁業に由来する魚を選んで買えるようにするシステムの確立に関するコミットメントも表明されました。
  • また、IUU漁業に対処し、魚種資源の枯渇を助長している漁業補助金を削減するためのコミットメントも新たに表明されました。

国連海洋会議について詳しくは、下記のウェブサイトをご覧ください。

https://oceanconference.un.org/

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