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薬剤耐性は「無視できない危機」と国連が警告 抗生物質の責任ある使用を呼びかけ

2017年12月07日

薬剤耐性感染症への抗生物質の効果をテストする研究所職員©Photo: PAHO/Joshua Cogan

20171113国連は11月13日に始まった「世界抗菌薬啓発週間」に合わせ、国連食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)および国際獣疫事務局(OIE)を通じて、人間と動物に対する抗生物質の責任ある利用で、薬剤耐性による緊急事態を減らすよう求めました。

WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は「薬剤耐性は、私たちが無視することのできないグローバルな脅威です。強力な一丸となった行動でこの脅威に取り組まなければ、私たちは抗菌薬耐性により、人間が一般的感染症を恐れ、ちょっとした手術でも生命が危険にさらされていた時代に逆戻りしてしまうでしょう」と語っています。

薬剤耐性は世界の全域で危険な水準に達し、私たちが一般的感染症を治療する能力を脅かしています。抗生物質の効果が薄れる中で、肺炎や結核、敗血症、淋病など、ヒトの間で広がる感染症と、動物の間で広がる感染症はともに、治療が難しくなり、時には不可能にさえなっています。

クンダビ・カディレサンFAO事務局長補兼アジア・太平洋地域事務所長は、同地域での啓発週間開幕の挨拶で「FAOは陸域、水域の生産・保健システムで、グッドプラクティスの採用を呼びかけています」と述べました。

抗生物質服用の前に、資格のある医療専門家から助言を受けることが、今年のテーマです。食料と農業に関して言えば、畜産、養殖、作物生産でグッドプラクティスを促進することにより、農林水産業での抗菌剤の必要性を減らすことが、薬剤耐性(AMR)に取り組む最善の方法の一つとなります。

薬剤耐性の予防

カディレサン事務局長補は「(これらは)アジア太平洋地域で抗菌剤の慎重な使用を促進するための実用的なステップとなります」と説明しています。

こうした問題に対処するため、WHO、FAO、OIEはそれぞれの専門知識を総動員しながら「One Health(ワンヘルス)」アプローチを共同で展開し、人間と動物双方の薬剤耐性菌の発生と蔓延を減らすためのグッドプラクティスの促進を図っています。

ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバFAO事務局長は「抗菌薬の使い過ぎは、その効果を鈍らせます。私たちは食品システムでのその乱用を減らさなければなりません。動物の健康と福祉や、安全な食料生産には、動物用の抗菌薬が欠かせませんが、それが唯一の手段というわけではありません」と語ります。

また、モニーク・エロワOIE事務局長は「人間の健康と同様、獣医学も抗菌薬によって長足の進歩を遂げました。よって、動物の健康と福祉を保つためには、畜産と予防の分野でのグッドプラクティスと関連づけながら、抗菌薬を責任ある形で利用し、その効能と入手可能性を維持することが欠かせません」と強調しています。

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原文(English)はこちらをご覧ください。