世界水の日(3月22日)に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ
プレスリリース 20-015-J 2020年03月22日
世界の水資源は未曾有の脅威にさらされています。今日、22億人が安全な飲み水を確保できず、42億人が適切な衛生設備へのアクセスがない状態で暮らしています。直ちに行動しなければ、気候変動の影響によりこれらの数値はさらに悪化します。2050年までに35億から44億もの人々が水へのアクセスが制限された中で生活するようになり、そのうちの10億人以上が都市部の住人となる見込みです。
今年の「世界水の日」では、水と気候変動に焦点をあてています。2020年は気候行動の命運を決する年であるため、これは時宜にかなっています。水を介して私たちは気候崩壊の様々な影響を認識していますが、その中には干ばつや洪水などの極端な気象状況から、氷河の融解、塩水侵入、海面上昇などが含まれています。
地球温暖化と持続不可能な使い方により、水資源を求めてかつてない激しい競争が起こり、数百万もの人々が土地を追われることになるでしょう。これは健康と生産性に悪影響を与え、不安定な状態や紛争を倍増させる要因となります。解決策は明確です。私たちは直ちに健康な水源と水インフラへの投資を拡大し、水利用の効率を劇的に向上させなければなりません。水管理のあらゆるレベルにおいて気候リスクを想定し、これに対応しなければなりません。気候崩壊の影響を受ける人々のレジリエンスと適応力を高めるための取り組みを、今すぐ強化する必要があります。そして何よりもまず、今年2020年とグラスゴーでのCOP26を利用して排出量曲線を引き下げ、水の持続可能性のための確実な基盤を作らなければなりません。
今年の「世界水の日」にあたり、誰もが果たすべき役割を負っています。私はすべてのステークホルダーに対し、気候行動を強化し、水の持続可能性のための大胆な適応策に投資するよう求めます。地球の気温上昇を1.5°C以内に抑えることができれば、私たち全員が直面しつつある水危機を管理し解決する上で、世界ははるかによい状況に置かれることになるでしょう。
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