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女性に対する暴力撤廃の国際デー、事務総長メッセージ

プレスリリース 09-065-J 2009年11月25日

国連総会が11月25日を「女性に対する暴力撤廃の国際デー」と定めてから10年になりますが、その間に行動の輪は広がりを見せてきました。男性や男児を含め、より多くの団体や個人が、この憎むべき女性の人権侵害を防止し、これに対処するための取り組みに関わるようになりました。また、多くの国々が法律や包括的な行動計画を整備する中で、各国内でも大きな進展が見られています。

しかし、すべきことはまだ多く残っています。どの国でも、女性と女児が暴力の被害者となり、大きな苦痛を受ける状況が続いているからです。このような暴力は開発を阻害し、情勢を不安定化させ、和平の実現をさらに難しくします。私たちは人権違反の責任を問い、不処罰を終わらせるために具体的な策を講じなければなりません。また、被害者の声にも耳を傾け、彼女たちを支援しなければなりません。

私たちが目指す目標は明らかです。それは、戦争の手段としてのレイプ、家庭内暴力、性的搾取のための人身取引、いわゆる「名誉」犯罪、さらには女性器切除を含め、こうした許しがたい犯罪を終わらせることに他なりません。私たちは差別を根絶し、女性に対する暴力の温床となっている思考態度を改めさせることにより、その根本的原因に取り組まねばならないのです。

昨年、私が発足させた「UNiTE to End Violence against Women(団結しよう、女性への暴力を終わらせるために)」キャンペーンは、国連システム全体による行動を本格化させています。このキャンペーンはすべての国々に対し、強力な法律、部門横断的な行動計画、予防措置、データ収集および組織的な取り組みを導入して、紛争下での性暴力に対処するよう求めています。私は各国の政府や団体、個人に対し、このキャンペーンへの参加をお願いしたいと思います。私はまた、この取り組みの強化を図る Network of Men Leaders(男性指導者ネットワーク)も発足させたところです。

ジェンダーの平等を促進する新機関の創設に対する国連総会の支持も、私たちの作業をさらに活性化させることでしょう。この新たな機関は、ジェンダーの平等と女性の地位向上を促進するだけでなく、女性に対する差別と暴力の廃絶を支援する措置について、国連システム自体の責任を問う役割も担います。

全世界の女性はまさに、家族やコミュニティ、さらには国民全体をつなぐかなめ要と呼ぶにふさわしい存在です。今年の国際デーにあたり、女性の人権を守ってゆくという決意を新たにし、女性への暴力対策にさらに多くの資源を投入しようではありませんか。そして、この恐ろしい暴力に今度こそ終止符を打てるよう、全力を尽くそうではありませんか。