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世界エイズ・デー(12月1日)に寄せる 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 09/067-J 2009年12月01日

世界の一部の国々では、エイズの蔓延が後退する兆しが見えてきました。エイズ対策への投資は成果を生み、人命を救いつつあります。

とはいえ、全世界的に見ると、新規感染は治療の前進を上回るスピードで進んでおり、エイズは依然として早死の一大原因となっています。

今年の「世界エイズ・デー」が私たちに突きつけている課題は明らかです。私たちは成果のあがっている対策を続けるだけでなく、2010年までにHIVの予防、治療、ケア、そして支援への普遍的アクセスを実現するという約束を果たすため、緊急に一層の努力を重ねなければならないのです。

私たちがHIVを人権という光で完全に照らし出さない限り、この目標を達成することはできません。それは、あらゆる形でHIVに付きまとう悪いイメージや差別と闘うことを意味します。女性と女児に対する暴力もなくさねばなりません。また、HIVに関する情報やサービスへのアクセスを確保することも必要です。

私はすべての国々に対し、HIV感染者の旅行制限をはじめ、エイズ対策を妨げる懲罰的な法律や政策、慣行を排除するよう求めます。エイズ対策を成功させるためには、人々を罰するのではなく、守らねばならないからです。

法的な枠組みにより、もっとも感染リスクの大きい集団に対する差別が制度化されている国も多くあります。しかし、売春婦や薬物使用者、同性愛者の男性に対する差別は、エイズの蔓延を助長し、費用効果的な対策を妨げてしまいます。私たちはイデオロギーではなく、証拠に基づくエイズ対策を確保し、もっとも大きな被害に苦しむ人々に手を差し伸べなければなりません。

HIV感染者は、私たちが予防、健康、人間の尊厳に対するアプローチを改善してゆく上で、まさに模範的な役割を果たすことができます。私たちは、こうした人々の貢献を認識し、エイズ対策全側面へのその積極的参加を促進してゆかねばならないのです。

今年の「世界エイズ・デー」を機に、すべてのHIV感染者、感染のリスクを抱えた人々、そしてエイズ蔓延の被害を受けている子どもと家族の人権を擁護してゆこうではありませんか。特に、経済危機に見舞われている今こそ、エイズ対策によってミレニアム開発目標(MDGs)実現に向けた前進を果たしましょう。そして何よりも、すぐに行動に取りかかろうではありませんか。