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国連デー(10月24日)に寄せる 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 09-057-J 2009年10月23日

国連はきょうの「国連デー」だけでなく、一年を通して、地球のため、雇用のため、そして「われら人民」のために日夜努力を続けています。

私たちは他の誰よりも多く、しかももっとも困難な場所で、人道援助を提供しています。私たちは世界の子どもたちの40%に予防接種を実施しています。私たちは1億人以上に食料援助を提供し、戦争や迫害を逃れた女性と子どもを大半とする3,000万人以上の難民を支援しています。私たちが展開する平和維持要員も11万5,000人を超え、過去最多を記録しています。昨年だけでも、およそ50カ国に選挙支援を行いました。また、国連システムは総力を挙げて、グローバル経済の混乱と、それによる社会不安の恐れに取り組んでいます。

人々は世界各地で貧困と飢餓に打ち勝ち、平和を守り、教育を拡大し、人権を擁護していく上で、国連に期待しています。また、多くの人命を奪う兵器の拡散や病気のまん延を食い止め、災害に見舞われた人々と家族を守ることも期待しています。そして12月には、気候変動に関して包括的で公平、かつ野心的な合意が達成されるよう国連に期待しています。そのような合意によって、私たちすべてが守られ、より環境に優しく、より持続可能な経済への道が切り開かれるのです。

世界情勢は今、比類のない転機を迎えています。食料、燃料、金融、インフルエンザなど、多くの危機が一度に押し寄せているからです。気候変動の問題は日々その深刻さを増すばかりです。こうした危機の一つひとつが21世紀の現実を浮き彫りにしています。すなわち、私たちは一つの星、一つの故郷を共有しているという事実です。人として、国家として、そして人類として、私たちは運命を共にしているのです。

国連はこれに対応し、大局的な見地から重大な課題に取り組むべく、懸命の努力を重ねています。私たちはすべての人々、特にもっとも苦しい状況に置かれている人々に現実的な成果を届けられる新たな多国間主義を構築しているところです。しかし私は、これから進むべき道が果てしなく長いこと、そして、約束と行動の間に大きな隔たりがあることも痛感しています。今年の国連デーにあたり、弱い立場に置かれた力のない無防備な人々のために、一層の努力を重ねることを決意しようではありませんか。そして、目的においても行動においても、世界をより安全でより良い場所にできるよう、これまで以上の結束を図っていこうではありませんか。