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貧困撲滅のための国際デー(10月17日)に寄せる 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 09-054-J 2009年10月01日

きょう私たちは、貧困の中で暮らす人々の日常的な苦闘と貢献を認識し、この苦しみにはっきりと終止符を打つための取り組みの強化を決意します。

数々の世界的危機が一度に押し寄せる中で、もっとも貧しく脆弱な人々には、私たちの特別な注意を求める当然の権利があります。不況が襲えば、貧しい人々が真っ先に、しかも最悪の影響を受けることはわかりきっています。最近の推計によれば、グローバルな経済危機により、今年だけでも5,000万人以上が失業しました。2009年中には、1億もの人々が新たに貧困に陥るものと見られています。しかも気候変動により、この問題はさらに困難を極めています。

今年の国際デーのテーマ「貧困をなくすために声を上げる子どもと家族(Children and Families Speak Out Against Poverty)」は、児童の権利に関する条約採択20周年に呼応するものです。私たちは、子どもたちに投資し、その権利を擁護することが、もっとも確実に貧困を撲滅できる方法の一つであることを認識しています。

私たちの豊かな世界の中で、子どもたちの基本的なニーズは依然としてないがしろにされています。数百万人の子どもが依然として教育を受けられないばかりか、中途退学のおそれがある子どもも数多くいます。特に女児の状況は深刻です。

それでも私たちは、ミレニアム開発目標(MDGs)達成に向けた良識のある投資で、大きな変革が実現できることを知っています。エイズや結核、マラリア、ワクチンで予防可能な病気など、世界的な投資が増えている分野では、心強い進展が見られます。5歳未満の幼児の死亡率削減についても、大きな成果が達成されました。こうした成果は、初等教育や基礎インフラ、妊産婦保健などの重要分野への投資により、まだ世界で実現のめどが立っていないMDGの具体的目標に向けた進展を加速できることを示しています。

国連は食糧安全保障の促進、より環境に優しい経済の構築、より強力なセーフティ・ネットの確保、グローバル・ジョブズ・パクト(仕事に関する世界協定)の提唱など、多くの側面で危機への対応を図っています。私たちはまた、リアルタイムのデータ収集、分析のためのネットワーク能力を創出するため、世界的影響・脆弱性警報システム(GIVAS)の開発も手がけているところです。

私たちは貧困との闘いで重要な局面を迎えています。今こそ、弱者の声をさらに大きく伝え、世界にその約束を果たさせる必要があります。適切な投資と具体的行動があれば、私たちは成果をさらに積み重ね、自分たちの公約を実現し、さらにはすべての人が、その潜在能力をフルに発揮する機会を確保することができるのです。