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国際生物多様性の日(5月22日)事務総長メッセージ

プレスリリース 11-034-J 2011年05月23日

国際生物多様性の日(5月22日)に寄せる
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

今年の「国際生物多様性の日」は「2011国際森林年」にあたります。森林の価値、および森林が失われることによる社会、経済、および環境的コストについて世界の人々に知っていただくことを目的として、国際森林年が国連総会で宣言されています。

森林がもたらす利益は広範囲にわたります。森林は水を受け止めて貯蔵し、土壌を安定させ、生物多様性をはぐくみ、気候、ならびに気候変動の原因となる温室効果ガスの調整に重要な役割を果たします。国際ビジネスに利益をもたらし、世界中の最も貧しい状態にある何億もの人々に所得と資源を提供します。しかし、私たちが森林からいかに多くの恵みを受けているかについて理解が深まっているにも関わらず、森林は依然として驚くべき速度で失われつつあります。今年の「国際生物多様性の日」では、緊急に対策を講じる必要性が主題となります。

昨年、日本の愛知県で開かれた名古屋生物多様性サミットにおいて、各国政府は生物多様性新戦略計画に合意しました。愛知ターゲットでは、2020年までに森林を含むすべての自然生息環境の損失、劣化、および崩壊の速度を大幅に減らすことを求めています。日本で合意された重要なツールの一つは、遺伝資源へのアクセス、およびその利用から生じる利益の公正かつ公平な配分に関する名古屋議定書です。森林は、広大かつほとんど分類されていない生物多様性の宝庫です。議定書を早期に批准し施行することにより、森林の保護と生物多様性の持続可能な利用が可能となります。またそれにより、貧困の軽減と持続可能な国の発展にも貢献することができます。

現在の気候変動交渉が示すように、森林破壊と森林劣化を減らすことが、気候変動、生物多様性の損失、および土地の劣化という複合的な脅威に対抗するための重要な手段であるという認識が高まっています。私はこのように持続可能な開発における森林の重要性が見直されていることを評価したいと思います。

およそ20年前、世界の首脳は地球サミットの主要な成果としてリオ森林原則を生み出し、また生物多様性条約もここで誕生しました。来年には再びリオで国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催されます。この画期的な会議に期待し、私たちすべての未来のため、あらゆる森林の管理、保全、そして持続可能な開発を目指して決意を新たにしようではありませんか。

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