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グローバル・クラスルーム模擬国連大会、事務総長あいさつ

プレスリリース 11-033-J 2011年05月20日

米国連協会 グローバル・クラスルーム模擬国連大会
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長のあいさつ
(ニューヨーク、2011年5月12日)

皆さん、こんにちは。国連へようこそ。皆さんに温かく歓迎していただき、感謝いたします。本来、私が皆さんを歓迎すべきところですが、逆に私のほうが歓迎されてしまいました。(グローバル・クラスルームの)事務総長、温かい歓迎をありがとうございます。

私は、国連で加盟国がどのようなことをしているかを、お話しするだけでなく、お見せしようと思います。写真1枚が1,000の言葉に相当するとすれば、ビデオ1本は100万語に匹敵する価値があるはずです。

[ビデオ上映]

私が皆さんにお会いする最大の目的は、皆さんの声に耳を傾けることです。ですから私の話は手短にしようと思います。

私たちは気候変動やミレニアム開発目標(MDGs)から、アラブ世界、コートジボワール、リビアその他の現状まで、様々な国際問題について議論することができます。

皆さんにお願いがあります。どうぞ自由に発言してください。国連の事務総長と知り合い、話ができる機会はそう毎日はありません。皆さんの中には堅い話よりは、私個人や私の生活のことについて聞いたり、国連に期待することについて話したいという方もいらっしゃるでしょう。

私はいつか、皆さんのうちの誰かが将来、私の代わりにここに立つことになるだろうと確信しています。その頃までには、男性だけでなく、女性の事務総長も生まれていることでしょう。この地位を任されてきたのはこれまでは男性ばかりでしたので、特に若い女性の皆さんは、どうか志を高く持ってください。

同じ考えを持つ人々や国々が、良きことをし、世界を変え、すべての人々にとって世界をより良くしようと決意して集まった組織。それが国連です。そして、この組織は行動から始まります。多くの人々が、今ここで行動を起こすのです。

皆さんも今日、世界を舞台にリーダーシップを発揮します。その第一歩が今、この瞬間です。

私が自分の長い人生の中で気づいたのは、未来は考えているよりも早く訪れるということです。これはとても大事なことです。

北アフリカで起きている革命を考えてみてください。皆さんとほとんど年の違わない若者が先頭に立っています。20年前の東ヨーロッパでも、同じことが起きました。プラハとベルリンの学生たちが街に繰り出し、変化を求め、更なる自由化を求め、そして正真正銘の自由と民主主義を求めてデモを行ったのです。

今では、より簡単に、より素早く、より直接的に行動を起こすための先端技術があります。世界の中には、兵器よりもただ一度のツイートを恐れている独裁者もいます。軍隊と戦う方法は知っていたとしても、こうした人々がフェイスブックに打ち勝つ方法を知っているとは思えません。

若者は私たちの社会のあり方、ビジネスのやり方、さらにはリーダーの選び方さえも大きく変える力となっています。

国連も時代遅れの存在と言えるかも知れません。私はこの組織の仕組みを階層構造からネットワークへと変えようとしています。なぜなら、私たちの暮らすネットワーク社会では、地位よりもやる気や努力、創造力のほうがはるかに大事なことだからです。

これらはいずれも、若い皆さんが得意とするものでしょう。

まだまだたくさんありますが、ここでは次の3点に絞ってお話したいと思います。

第一に、本音で語ってください。真実を貫いて生きてください。自分を偽ってはなりません。そして自分がどんな人間であるか、よく把握してください。

信念を大事にしてください。慎重に考えてください。なぜなら、考えていることが言葉を作り、その言葉が皆さんの行動となるからです。行動は皆さんの性格を形作り、更にその性格が皆さんの運命を決めていきます。

第二に、真実を貫いて生きるには勇気が必要です。ですから、皆さんは勇敢でなくてはなりません。勇敢であるということは、単に危険な状況で冷静を保つことではありません。たとえ対立や論争、場合によっては迫害を引き起こしかねないとしても、信念を貫き通す意志があるという意味です。勇敢であれ。そして大胆であれ。

それこそが私の実践していることです。私が全世界のすべての人々から好かれているわけではないことは知っています。私の言うことが気に入らない人もいます。特に私が口をとがらし、皆さんのような若者、女性や女児など多くの人々の自由な意思が踏みにじられているところで起きている人権侵害を批判したり、非難したりする時がそうです。今、私たちは世界の多くの場所で、このような光景を目にしています。

そして最後に、自分自身が描く以上の大きなビジョンを抱いてください。

私たちは長く、曲がりくねった道を歩いています。判断力を失わせるような光に出会うこともあります。

どうか皆さんの信念、そして国連の信念を目印に歩み続けてください。そうすれば、より大きな意味と、より大きな目的のある人生が開けるはずです。

私はよく、若者に次のように語りかけています。「雲の上に頭を出しながら、地に足を着けなさい」と。

これは、高い理想を守りながら、現実から目をそらさないということです。私たちの理想は国連憲章に書かれています。国連は正義の象徴です。国連は平和の象徴です。そして国連は、すべての人々にとっての尊厳の象徴でもあります。

私は出張のたびに、国連協会を訪れるようにしています。

しかし正直なところ、国連協会で活動している人々はほとんどが私と同じ世代です。

こうした人々の知恵や経験は必要ですが、私たちには若い世代である皆さんのエネルギーとアイデアも必要です。

ですから、私は皆さんがきょう、ここを離れ、やがて卒業して社会人となっても、国連を支援してくれるものと期待しています。あいさつを締めくくるにあたり、私が最後に皆さんに申し上げたいのは「真の地球市民を目指せ」ということです。皆さんの中には米国内から参加している人も、日本など他の国からの参加者もいるでしょう。しかし、なるべく自分たちの国の外へ目を向けるようにしてください。もちろん、皆さんはそれぞれが出身国の国民ではありますが、ぜひとも地球市民となるよう努めてください。これこそ、私が皆さんにお願いしたいことです。世界は地球市民である皆さんのリーダーシップとビジョンにかかっています。私は今日のリーダーではありますが、皆さんは間もなく、明日のリーダーとなるはずです。どうか、その準備をしてください。想像力と先見の明を働かせてください。教養を備えて、地球市民となるよう努めてください。それが国連の望むことであり、また、それによって皆さんが、すべての人々にとってより良い世界に生きることが保障されるのですから。

ご静聴ありがとうございました。

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