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報道解禁 2007年7月2日 現地時間午前12時1分
「MDG達成に向けた前進にばらつき」と国連報告書
潘基文・国連事務総長は政治指導者に公約の履行を呼びかけ

プレスリリース 07/041-J 2007年06月26日

報道解禁
2007年7月2日
現地時間午前12時1分

国連ジュネーブ事務局、7月2日 -数百万の人々を極端な貧困から救うためのグローバルな公約として採択されたミレニアム開発目標(MDG)は、2015年の達成期限に向けた中間点を迎えました。目標の達成に向け、明らかな進歩は見られますが、国連の報告書によれば、全体的な成功が保証されたとは言い難い状況が続いています。

「この報告書で提示された成果によれば、ある程度の前進が達成されており、世界の大部分で目標実現は依然として可能といえる」潘基文・事務総長は、きょう発表された『ミレニアム開発目標報告2007』のはしがきで、このように明言しています。「その一方で、どれだけ多くの課題が残っているかも明らかになった」

2000年に国連が主催したミレニアム・サミットで事実上、全世界のあらゆる国々が行ったこの公約は、8つの主目標からなっています。

MDGは極端な貧困と飢餓の根絶、初等教育の完全普及、男女平等と女性のエンパワーメントの促進、幼児死亡率の引き下げ、妊産婦の健康状態改善、HIV/エイズやマラリアをはじめとする病気への対策、環境の持続可能性確保、そして開発のためのグローバル・パートナーシップ構築に関し、期限付きで前進を求めています。

報告書は、世界人口のうち1日1ドル以下で暮らす人々の割合が、1990年の32%(12.5億人)から2004年には19%(9.8億人)へと減少したことを指摘し、2015年までに極端な貧困を半減するという目標については顕著な前進が見られたと結論づけています。

この調子でゆけば、「MDGの貧困削減目標は世界全体とほとんどの地域で達成されるだろう」と報告書は見ています。

また、このような期待の根拠として、「最も大きな課題を抱える地域でさえ」ある程度の前進が見られるという事実をあげています。

 例えばサハラ以南アフリカでは、極端な貧困にあえぐ人々の数が「頭打ち」となり、貧困比率も2000年からほぼ6ポイント低下しています。

(つづく)

同時に、報告書によると、数多くのアフリカ諸国は、政府の強い指導力、健全な政策、そして公共投資促進に向けた実践的戦略を国際社会からの十分な財政、技術支援と組み合わせれば、MDG実現に向けた迅速かつ大幅な前進が可能であることを実証しています。

アジアでの見通しも明るく、急速な経済成長によって、MDGの貧困目標達成への目処は十分に立ったといえます。

報告書はその他、下記のような前進の兆候を紹介しています。

  • 開発途上国では、学校に通う子どもの数が増えています。開発途上国の初等教育就学率は、1991年の80%から2005年には88%にまで上昇しました。
  • 女性が政治や行政にかかわるようになった結果、男女同権を求める運動は広がっているものの、全体的に大きな前進には結びついていません。
  • はしかなどの脅威から子どもを守るための効果的で安価な対策が広がったこともあり、幼児死亡率は全世界で低下しています。
  • 重要なマラリア対策は急速な普及を遂げています。
  • 結核の流行は終息に向かいつつありますが、2015年までに感染率と死亡率を半減させるという目標を世界的に達成するには、前進がまだ不十分です。
  • 温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどり、人間の福祉を脅かすほど深刻な気候変動が生じています。それでも、持続可能なエネルギー技術の開発には前進が見られます。

しかし、報告書が示す統計データにはもうひとつの側面があり、楽観を許さない状況も浮き彫りになっています。

報告書の調査結果を見ると、極端な貧困の削減が最も進んだのは南アジア、東南アジア、東アジアです。その一方で、西アジアの貧困比率は同時期に2倍を超える上昇を示しています。サハラ以南アフリカでは、前進が見られるとはいえ、貧困比率は依然として世界最悪の水準にあります。

報告書によれば、その他にも深刻な問題が残っています。妊娠、出産時に予防や治療が可能な合併症で死亡する女性の数は、年間50万人を超えます。体重不足児の割合半減に向けた前進はほとんど見られません。また、全世界のエイズによる死者数は、2001年の220万人から昨年には290万人へと増大する一方で、片方または両方の親をエイズで失った子どもの数は1,500万人以上に達しています。

しかも、開発途上国の人々の半数は、依然として基本的な衛生設備を利用できないばかりか、気候変動による壊滅的影響の前触れもすでに感じられています。

事務総長によれば、前進が見られない理由のひとつとして、経済成長の恩恵が平等に行き渡っていないことがあげられます。武力紛争やHIV/エイズなどの要因から生じる危険や不安により、MDG達成に向けた取り組みが根底から揺らいでいる国々も見られます。

事務総長はまた、ほとんどの先進国が「開発のためのグローバル・パートナーシップとその相互責任の枠組み内で十分な資金を提供する」という約束を果たせていないことも指摘しています。

「特に2004年以降、政府開発援助(ODA)の顕著な増額が見られないことで、ガバナンスの良好な国々でさえ、MDGの達成が不可能になっている」事務総長は報告書のはしがきで、このように述べています。主要先進国は2005年のグレンイーグルス・サミットで、対アフリカ援助を2010年までに倍増させると約束しましたが、ODA総額は2005年から2006年にかけ、実質ベースで5.1%減少しています。国民総所得の0.7%を援助に当てるという国連の目標を達成または超過した援助国は、わずか5カ国にすぎません。

事務総長は「政治指導者が緊急に協調行動を取る必要性は明らかだ」としています。

国連のホセ・アントニオ・オカンポ経済社会局長はこの報告書を、これまでで最も包括的かつグローバルなMDG評価報告書と評しています。オカンポ局長によると、報告書は世界銀行、経済協力開発機構(OECD)を含め、国連システム内外の20を超える機関が提供したデータセットに基づき作成されました。

さらに詳しい情報と報道関係のお問い合せ先については、www.un.org/millenniumgoalsをご覧ください。

Issued by the UN Department of Public Information – DPI-2464 A — July 2007

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