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国連の核兵器禁止条約、2021年1月に発効へ(UN News記事・日本語訳)

2020年11月30日

Photo from UN News website

2020年10月25日-核兵器禁止条約は、ホンジュラスが24日に50番目となる批准を行ったことにより、来年1月22日に発効する運びとなりました。活動家たちはこれを「核軍縮の新たな一章」として歓迎しています。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は声明を発表し、2017年に国連総会で122カ国に承認された条約を批准することで、核兵器禁止に向けた歩みをここまで進めることに貢献したすべての国を賞賛し、特に市民社会団体の活動に賛辞を贈りました。

その中でも重要な役割を果たし、2017年にはノーベル平和賞を受賞している核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は、条約の発効を「核軍縮の新たな一章」として歓迎し、次のように述べています。「数十年に及ぶ活動で、多くの人が不可能だと言っていたことが達成されました。核兵器は禁止されたのです」

広島の被爆者の1人、サーロー節子さんはICANに対し、自分の全人生を核兵器廃絶に捧げてきたと語っています。「私たちの条約の成立を目指して尽力されてきたすべての方々に対して、ただ感謝の言葉しかありません」

24日の画期的な成果は、ジャマイカとナウルという2つの島嶼国が批准書を提出した翌日に達成されました。これによって、条約は90日後に効力を生じ、第2次世界大戦の末期に初めて使用された核兵器は、その75年後に禁止されることになりました。

被爆者に報いるもの

「条約発効は、これを強く求めてきた核爆発と核実験の生存者たちに報いるものです」事務総長は声明の中で、このように述べています。

グテーレス事務総長は条約発効を「核兵器の使用が壊滅的な人道的被害をもたらすことに対する関心を集めるため、これまで積み重ねられた全世界的な運動の成果」と評しています。

「また、国連にとって最優先の軍縮課題である核兵器の全面的廃絶に向けた意義深いコミットメントです」

事務総長は、全面的廃絶に向けた条約の前進を促進するために職務を果たせることを心待ちにしていると述べています。

現在のところ、核大国である米国、英国、ロシア、中国、フランスは、いずれも条約に署名していません。

核兵器禁止条約は、これを批准する国が「いかなる状況においても、核兵器またはその他の核爆発装置を開発、実験、生産、製造、その他の方法で取得、保有、または保管してはならない」と宣言しています。

2017年7月7日、ニューヨークでの国連会議で採択された核兵器禁止条約は、核軍縮に関するものとしては20年ぶりに法的拘束力を持つ多国間協定となりました。

 

新世代の正しさを証明

2017年10月上旬、ノーベル平和賞受賞の報を受けて国連本部で記者会見したフィンICAN事務局長は、「新世代」の活動家が成年に達したと語っていました。「冷戦後の世界で育ち、なぜ今も(核)兵器が残っているのか、理解できない人たちのことです」

世界各地で数十を超える団体を傘下に置く統括組織としてキャンペーンを展開するICANは、きょう声明を発表し、条約の発効が「始まりにすぎない」として、次のように述べています。「条約が発効すれば、あらゆる締約国は条約に基づく積極的義務をすべて履行し、禁止事項を遵守する必要があります」

「条約に未加入の国も、その力を感じざるを得ないでしょう。企業が核兵器の生産を中止したり、金融機関が核兵器生産企業への投資を止めたりすることが期待できるからです」

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原文(English)はこちらをご覧ください。