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世界各国、新型コロナウイルス感染症「インフォデミック」対策を求められる(UN News 記事・日本語訳)

2020年10月19日

ノートパソコンでソーシャルメディアを閲覧する人(プライバシー保護のため、コンテンツにぼかしを入れています)©World Bank/Simone D. McCourtie (File photo: World Bank)

2020年9月23日 ー 国連とパートナーは各国に対し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)に伴い、実世界とオンラインの両方で表面化したいわゆる「インフォデミック」に取り組むための緊急対策を強く訴えました。

 

COVID-19パンデミックは、技術とソーシャルメディアが人々に情報とつながりを提供する一方で、危機へのグローバルな対策を損ない、感染を抑えるための措置を危険にさらしている中で初めて生じたパンデミックです。

「デマで人の命が失われてしまいます。適切な信頼と正しい情報がなければ、診断検査は利用されず、予防接種キャンペーン(または効果的なワクチンの投与を促進するキャンペーン)は目標を達成できず、ウイルスの蔓延は続くことになります」パートナーたちはきょう発表された声明で、このように述べています。

「私たちは加盟国に対し、科学とエビデンスに基づき、すべてのコミュニティー、特にハイリスク集団への正確な情報の迅速な発信を確保し、表現の自由を尊重しつつ、デマと誤情報の蔓延を防ぐとともに、これと闘うことにより、インフォデミックを管理するためのアクションプランを策定、実施するよう呼びかけます」

各国当局はまた、コミュニティーがインフォデミックに対する解決策を策定し、レジリエンスを高められるよう支援することも求められています。

メディアやソーシャルメディア・プラットフォームなどのステークホルダーも、国連システムや互いの協力によって「正確な情報を発信し、デマと誤情報の蔓延を防ぐための対策をさらに強化する」よう求められています。

コミュニケーションの緊急事態

国連とその8つの機関のほか、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)も署名するこの声明は、国連総会と並行して世界保健機関(WHO)が開催したオンライン会合を受けて採択されたものです。

このイベントにビデオ・メッセージを寄せたアントニオ・グテーレス国連事務総長は、COVID-19のパンデミックがコミュニケーションの緊急事態でもあることを強調しました。

「ウイルスが世界に蔓延するとすぐに、不正確なばかりか危険でもあるメッセージがソーシャルメディアで野放しのまま拡散し、人々に混乱や誤解、軽率な判断が生じました」事務総長はこう振り返っています。

「これに対抗するためには、科学に裏づけられた事実と保健指導がそれよりも早く広まり、人々が情報に触れるあらゆる場所で届くようにしなければなりません」

 

科学、解決策、連帯

パンデミックが生じてから、事務総長は一貫して、COVID-19とともに表面化した有害な健康アドバイスやヘイトスピーチ、突飛な陰謀論の台頭に対処する必要性を強調してきました。

国連が5月に立ち上げた「Verified(ベリファイド/検証済み)」イニシアチブは、各地の人々に対し、信頼できる正確な情報をソーシャルメディア・プラットフォームで共有する「デジタル世界の第一対応者」になるよう促しています。

「メディア・パートナーや個人、インフルエンサー、ソーシャルメディア・プラットフォームとの連携により、私たちが広めているコンテンツは、科学を後押しし、解決策を提示し、連帯を働きかけるものとなっています」事務総長はこう述べました。

グテーレス事務総長が会合で発言したとおり、開発中のCOVID-19ワクチンの安全性と有効性に対する世論の信頼構築を国連とパートナーが図るうえで、デマとの闘いは欠かせません。

 

通常の予防接種の遅れを挽回

このメッセージはきょう、パンデミックの中で予防接種キャンペーンを守ろうとしている政府と人道援助機関を支援し、将来のCOVID-19ワクチンの公平な配給に向けたインフラの整備を確保するために行われた別のWHOオンライン会合でも繰り返されました。

このパンデミックによって、全世界で約8,000万人の子どもが通常の予防接種を受けられなくなっていると国連は見ていますが、ケイト・オブライエンWHO予防接種・ワクチン・生物製剤局長によると、「より良い復興のために遅れを取り戻す」ことを目標に、サービスの再開が進んでいます。

オブライエン局長は、パートナーが「かつてなく緊密に」連携し、統合を強めていると述べましたが、いかなるCOVID-19ワクチンの将来的な提供にも適用される原則になります。

「私たちの目標は、パートナーシップの力を活用し、安全かつ有効で手ごろな価格のワクチンを届けられるよう努め、すべての国がCOVID-19ワクチンに公正かつ公平にアクセスできるようにすることにあります(中略)誰もが安全でない限り、誰も安全でないからです」オブライエン局長はこのように述べています。

 

「世界的な保険契約」

WHOはワクチンと予防接種のための世界同盟(GAVI)や感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)とともに、COVID-19ワクチンを誰でも、どこでも必要とする人に届けることを誓約するグローバル・イニシアチブを先頭に立って推進しました。

セス・バークレーGAVI事務局長はこのCOVAXグローバル・ワクチン・ファシリティ―を、誰一人取り残さないことを約束する「世界的な保険契約」と形容しています。2021年末までに20億回分のワクチンを生産することを目標としています。

バークレー事務局長の報告によると、ファシリティーに加入を確約したか、ワクチンを受け取る資格のある国は160カ国を超えており、その数は今週中にさらに増えるものと見られています。

「GAVIは現在、世界の子どもの半数に対する予防接種を支援しています。しかし、COVID-19ワクチンのグローバルな投与は、世界的にもこれまでで最大かつ最速の展開事例となるでしょう」事務局長はこう述べています。

「また、噂や虚報が広まっている現状から、私たちは各地のコミュニティーと連携し、正確な情報を提供する必要もあります」

COVAXファシリティーは、すべての国が利用できる検査や医薬品、ワクチンの開発と生産の加速を目指すACT(COVID-19ツールへのアクセス)アクセラレーターの一環として設けられたものです。

4月に発足したACTアクセラレーターには、これまでに27億ドルの資金が集まりました。国連事務総長は最近、さらに必要な350億ドルを確保するため「資金供与の大躍進」を訴えています。 

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原文(English)はこちらをご覧ください。

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