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UN75:100万人が未来に対する希望や不安を国連と共有(UN News記事・日本語訳)

2020年09月29日

カリブ海のセントクリストファー・ネイビスで、未来に対する希望と不安に関する国連調査に参加した女性© UN Caribbean

2020年9月21日-国連創設75周年を記念して1月にスタートした大規模な、過去に例を見ないクラウドソーシングによる国際世論調査の結果がこのほど発表されました。職業、男女、男児・女児、先進国・途上国を問わず、あらゆる参加者が未来に対する希望と不安を国連と共有し、変革をもたらす上で国連がどのように支援できるかを共有しました。

 

出身国や背景、年齢、ジェンダーに関わらず、調査への参加者は、将来のビジョンについて「驚くほど一致している」と国連は述べています。

国連が発表した報告書では、下記の5つの重要な調査結果が示されています。

休み時間が終わり教室に戻る前に手を洗うガーナの少女© UNICEF/Geoffrey Buta

1) 基本的サービスの改善を

世界全体が依然として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)のさなかにある現状から見て、このパンデミックによるグローバルなロックダウン(都市封鎖)が実施される中で続けられた調査への参加者の大半が、基本的サービスへのアクセス改善を当面の優先課題に挙げたことは、当然のことと言えるでしょう。こうしたサービスには医療、水と衛生のほか教育が含まれます。教育へのアクセスと女性の権利が最終的には改善すると考える向きも多くありました。

メキシコのある回答者は、こう述べています。「コロナウイルスは仕事や人とのつながり、教育、平和を奪い去りました。あちこちで不安が広がっていますが、人々はこれにうまく対応できていません」

数字で見るUN75アンケート

• 193のすべての国連加盟国の人々から回答がありました。
• 参加者は男女ほぼ同数で、回答者の51%は30歳未満でした。
• 回答者の30%は中央アジアと南アジアの出身です。
• 次に参加者の割合が多かった地域は、サハラ以南アフリカ(23.5%)で、これに欧州(15%)が続いています。

 

2) 国際協力をより強く

国連によると、COVID-19のパンデミックによって、貧富に関わらず、すべての国の利益となるようにワクチンの開発、生産、流通を図るためには、国際協力が必要であることが明確になりました。

各国が共通の利益のために協調的、生産的な取り組みを行うことは、国連が考えるマルチラテラリズムの重要要素の一つです。

100万人の回答者の多くも、その価値を認めているようです。グローバルな課題への取り組みには国際協力が不可欠であり、COVID-19は国際的な連帯の緊急性をさらに高めたと考える人々は、回答者の87%にも上るからです。

アルバニアのある回答者は、社会的責任を共有することの重要性をこう強調しています。「人道の精神を復興の基盤としなければならないという点が、この上なく重要です。私たちはCOVID-19パンデミックから文字通り、誰もが安全でなければ、誰一人として安全ではないという教訓を学んだのです」

 

アフガニスタンのある医療センターでは、気候変動を助長する化石燃料への依存度を下げるため、再生可能エネルギーを活用している© UNDP Afghanistan

3) 気候変動に対策を

人類は地球の温暖化を抑え、不可逆な気候変動とそれによる自然環境の破壊を防ぐことが明らかにできていないことを、アンケート回答者は圧倒的に大きな中長期的懸念として挙げています。その他の長期的な懸念事項としては、貧困の増大、政府の腐敗、地域社会の暴力、失業が挙げられます。

中国のある若者は、誰もが気候変動の影響を受けていると指摘しています。「環境汚染の結果として生じている今の時代のグローバルな気候変動によって、一人ひとりの人間と人類全体に対するリスクが高まっています」

 

COVID-19パンデミックの中でも、シリアをはじめ紛争被災地域への水の配給を続ける国連児童基金(UNICEF)© UNICEF/Delil Souleiman

4) もっと国連の関わりを

過去に目を向けると、回答者の10人に6人は、国連が世界をより良い場所に変えたと考えており、回答者の74%がグローバルな課題への効果的な対応を図るためには、国連が「不可欠」と考えています。しかし、アンケート回答者の半数は、国連についてあまりよく知らないとしており、自分たちの生活からは「遠い」存在と捉えています。

国連高官に助言を行う“ユース理事会”の設置を提言する声も多くありました。ブラジルのある回答者は、地域と地方のレベルで、関与の拡大を提案しています。「国連は、地域や地方のアクターとの関わりを広げることや、社会のアクターの自律性を高める手段を提供することにより、未来に投資することができます」

 

5) より良い未来を信じる

将来に関し、若年層の参加者や、多くの開発途上国からの参加者は、年長者や先進国に暮らす人々よりも、楽観的な見方を示す傾向にあります。中央アジアや南アジア、サハラ以南アフリカの人々は、欧州や北米の人々よりも楽天的な傾向にあります。

「無力な人などいません」日本の17歳の高校生は、こう述べています。

 

100万人の声はどのように届いたのか

人々の意見は、多くの方法で集められました。

• できるだけ多くの人の声を聴くという点で、1分間のUN75アンケート(www.un75.online)は重要な役割を果たしました。このアンケートには現時点でも64の言語で回答できます。
• インターネットに接続できない人の声も聴けるよう、モバイルアプリや、SMS(ショートメッセージサービス)その他のツールとの統合を通じ、オフラインでの調査データ収集への適応も図られています。
• 電話や直接の調査による参加者の意見聴取も行いました。

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原文(English)はこちらからご覧ください。

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