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国際薬物乱用・不正取引防止デー(6月26日)事務総長メッセージ

プレスリリース 13-035-J 2013年06月25日

私は今年、イタリア北部にあるサン・パトリニャーノ薬物更生センターを訪問しました。ここでは28カ国の1,200人を超える若い男女が、中毒という呪縛を逃れ、尊厳ある生産的な生活を営む術を学んでいます。その道のりは平坦ではありません。中毒を克服するためには、勇気、懸命な努力、そして献身的な指導者の思いやりが必要です。しかし、この感動的なコミュニティのメンバーたちは、自分たちが幸運であることを理解しています。薬物は全世界で、若者や子ども、家族やコミュニティの健康を脅かし、薬物取引による数十億ドルにも及ぶ収益は、犯罪ネットワークの力を強め、恐怖と不安を作り出しているからです。

薬物の不正取引は開発にとって明らかな障害となります。この越境犯罪には、国内的、国際的に厳格かつ協調的な法執行で対処する必要があります。組織的犯罪と不正薬物取引への取り組みは共有の責任です。しかし、法の支配は取り組みの一環でしかありません。例えば、コカ、マリファナ、アヘンなどの栽培に依存する農家には、代替的な生計の手段を提供しなければならず、薬物使用者・中毒者には烙印を押すのではなく、支援の手を差し伸べる必要があります。

薬物中毒や、危険を伴う薬物注射によるHIV感染をはじめとする関連の影響を予防、治療する健全な基盤は、人権と科学に基づく公衆衛生アプローチしかありません。また、私たちは新たな脅威にも取り組まなければなりません。国際的な取締りの対象となっていないものも多い向精神薬の出現という問題も、その一つです。特に若者には、こうした薬物の危険性を認識してもらう必要があります。

今年の「国際薬物乱用・不法取引防止デー」にあたり、私は政府、メディア、そして市民社会に対し、不正薬物がもたらす害悪に対する認識を高めるとともに、その使用で利益を得る人々を出さないようにするため、できる限りの取り組みを行うよう呼びかけます。

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イタリア北部にあるサン・パトリニャーノ薬物更生センターを訪問した潘基文(パン・ギムン)事務総長(2013年4月2日)©UN Photo/Rick Bajornas