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TICAD V 事務総長挨拶 「平和と安定に関する全体会合」

プレスリリース 13-029-J 2013年06月10日

平和と安定に関する全体会合
(横浜、2013年6月2日)

平和と開発は相互補強関係にあります。

これは私が先週、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁とともにアフリカ大湖地域に伝えたメッセージです。国連事務総長と世界銀行総裁が共同で訪問を行うのは、これが初めてのことでした。この訪問には、事務総長特別代表であるメアリー・ロビンソン氏も同行しました。

私たちの訪問の目的は「コンゴ民主共和国(DRC)および大湖地域の和平・治安・協力枠組み」を支援することにありました。

キム氏と私は、DRC東部と大湖地域の人々に恐ろしい苦痛をもたらしてきた暴力の連鎖を断つため、新しいアプローチを求めました。

それはすなわち、平和、人権、法の支配を追求しながら、経済開発へ投資することに他なりません。

持続的な平和とよいガバナンスが経済成長と繁栄をもたらすというパターンは、アフリカ全土で見られています。

私は、アフリカの平和と安定の促進に向け、5億5,000万ドルの拠出を表明した日本に賞賛の意を表します。私は他のドナーに対しても、この素晴らしい例に続くよう促します。

各国代表の皆様、

現在、アフリカでの紛争は過去に比べて減少しています。しかし、新たな脅威が生まれつつあることも事実です。

越境犯罪や海賊・テロ行為、過激派の活動が活発化しつつあるからです。

皆様、

マリ北部での戦闘では、500万人が影響を受けました。避難民の数も40万人を超えています。

安全保障理事会はこの動きに対応し、国連マリ多元統合安定化ミッション(MINUSMA)を新設しました。全ての人々に開かれた政治的対話を促し、国民的和解を促進し、人道援助を届けるための便宜を図り、文化遺産の保全と復興に貢献するとともに、選挙プロセスを支援することが、その役割です。

私たちは、マリの人々が治安問題を解決し、恒久的平和を打ち立てるための手助けをする決意を固めています。

皆様、

ガバナンス、治安、開発の相関関係が世界で最もはっきりと表れているのが、サヘル地域です。

気候変動、紛争、貧困は、大西洋から紅海に至る地域に暮らす何百万もの人々に脅威を及ぼしています。急性栄養失調に苦しむ子どもは100万人を超えています。まさに心が痛む悲劇といえるでしょう。

私たちは、今ある命を救うとともに、将来のニーズに取り組むべく、全力を尽くしています。サヘル危機の複雑な諸側面すべてに取り組む統合的戦略も策定中です。事務総長特使を務めるロマノ・プロディ氏は、こうした取り組みを先頭に立って進めています。

その目標は、今回の会議のメインテーマでもある強靭性の構築にあります。

ソマリア情勢の進展は、アフリカのパートナーと国際社会が連携すれば、どのような成果が達成できるかを示しています。ソマリアでは、新たに包摂的な議会と政府が樹立され、治安も改善しています。国連は間もなく、ソマリアでの平和構築を支援する新たな援助ミッションUNSOMを発足させる予定です。私は、このミッションが前進の定着と連邦国家の構築に取り組む中で、パートナーがソマリアに対する支援を継続することを期待しています。

「アフリカにおける相互審査システム(APRM)」や「アフリカ平和安全保障アーキテクチャー(APSA)」をはじめ、アフリカには貴重な安全保障の手段が備わっています。

不安の広がりを食い止めるためには、地域的なアプローチが欠かせません。中央アフリカ共和国についても同様です。私は同国での暴力と人権侵害を深く憂慮しています。

私は、中部アフリカ諸国経済共同体が中央アフリカ共和国で展開する部隊の増強を予定していることを歓迎します。

また、安全保障理事会と国際社会に対し、同国の治安回復と国民の保護を支援するよう呼びかけています。

脅威は中央アフリカ共和国の国外にも及んでいます。事実上の政権は、秩序と治安の回復に苦心しています。同国はますます、武装集団にとって理想的な後方基地となりつつあるのです。

中央アフリカ情勢もまた、国際社会が安全と開発を総合的に捉え、紛争の根本的原因に取り組まなければならないことを物語っています。

各国代表の方々、

皆様、

私たちはアフリカ全土で、平和の礎としての開発を進めなければなりません。

私はこの会合で、アフリカとの連携に向け、日本の民間企業や市民社会とどのように関係を構築すべきかについて話し合えることを期待しています。

ビジョンと勇気を持つ人々には、得るものが大きくなるでしょう。特に、アフリカの人々にとっての利益は計り知れません。

皆様には、ぜひとも積極的な関与とリーダーシップの発揮をお願いします。

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