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TICAD V 事務総長挨拶 「アフリカ開発に向け、気候変動・災害に対する強靭性の構築を」

プレスリリース 13-028-J 2013年06月10日

世界銀行、UNDP、日本政府共催ハイレベル昼食会
「アフリカ開発に向け、気候変動・災害に対する強靭性の構築を」

(横浜、2013年6月2日)

この重要なテーマに関する会議を開催していただいた日本政府、国連開発計画(UNDP)、世界銀行の方々に感謝いたします。

私は常に、気候変動を優先課題に据えてきました。各国に対しては、2015年までに普遍的で法的拘束力のあるグローバル気候変動条約を締結するという約束を果たすよう、強く求めているところです。政治的な弾みをつけ、意欲的な行動を働きかけるため、私は来年、ニューヨークで気候変動サミットを開催する予定です。

気候変動は特にアフリカにとって重大な問題です。

アフリカでは昨年、干ばつと洪水により数千人が命を失いました。家や生計手段、希望を失った人々はさらに数百万人に上ります。人的な悲劇は計り知れません。金銭的な被害も数十億ドルに及んでいます。

恐ろしい予測もあります。アフリカでは2億5,000万人が深刻な水不足に見舞われかねません。それも遠い将来の話ではなく、今後わずか10年以内の話です。干ばつは広範な作物に被害を及ぼすと見られます。つまり、より厳しい食料不足が、より多くの人々を襲うことになるのです。

開発が挫折すれば、不安が広まるおそれもあります。気候変動で不安定化した国々は、過激派や国際犯罪の温床となりかねません。大規模な移住の原因にもなります。

私はサヘル情勢を特に懸念しています。気候変動、異常気象、政情不安の連関がはっきりと見て取れるからです。

国連はその対策として、統合的なサヘル地域戦略を策定中です。治安、ガバナンス、開発、人権、人道ニーズを含め、あらゆる側面に取り組むことになっています。

この地域では昨年、2,000万人近くが干ばつに襲われました。

アフリカの角地域の状況も深刻です。2011年には60年ぶりの厳しい干ばつが襲い、およそ1,300万人が食料不足に苦しみました。

特に、ソマリア南部は最悪の危機に見舞われました。わずか2年間で、25万人以上のソマリア人が干ばつで命を失いました。治安の悪化が自然災害に拍車をかけた結果です。犠牲者の半分は子どもたちでした。

国連はアフリカの強靭性を高めるため、全力を尽くすことを約束しています。

各国代表の皆様、

私たちは多くの問題に直面しています。が、それよりもっと可能性に目を向けようではありませんか。

可能性を示す証拠はあります。アフリカ諸国が気候変動に立ち向かえる開発を強化するためには、膨大な資源が必要です。先進国は、開発途上国における適応と軽減への支援として、2020年までに年間1,000億ドルを供与するという目標の達成を約束しています。

この資金は、私たちの共通の未来への投資となります。私たちは官民のパートナーシップを結集し、必要な資金を最大限に活用しなければなりません。

気候変動の影響が軽減される国々は、持続可能な開発と繁栄に注力することができます。

アフリカの河川、太陽光、風力、そして地熱資源は、アフリカの人々すべてに持続可能なエネルギーを提供し、雇用と成長を創出することができます。ヨーロッパに電力を供給することさえ可能です。

気候変動に対応する農業は、アフリカだけでなく、全世界にとって利益となり得ます。

適切な変革、そして支援により、営農システムの強靭性と生産性を高めれば、排出削減と炭素捕捉能力の向上を共に図ることができます。

アフリカの小規模農家、企業、そしてバリューチェーンを構成するあらゆる起業家は、所得を引き上げ、大陸全体を一変させるような緑の革命の原動力となることができるのです。

アフリカの人々には自発性、能力、そして成功への関心があります。私たちのパートナーシップで、より環境にやさしい未来をどのようにつくり上げることができるのかに関し、ぜひとも皆様からアイデアをお聞きしたいと思います。また、私が来年、開催を予定している気候変動サミットが、アフリカのリーダーシップによって成功に導かれることを期待しています。

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