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長崎平和祈念式典に寄せるアントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ (長崎、2021年8月9日)

プレスリリース 21-042-J 2021年08月09日

©長崎市

中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表が代読

この活力に満ちた長崎の街に原子爆弾が大惨事をもたらしてから76年が経ちました。本日、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典におきまして、私がご挨拶できますことを感謝いたします。そして、犠牲になられた方々に謹んで哀悼の誠をささげます。

被爆者の方々の私心のない行いにいつも畏敬の念に打たれます。計り知れない悲劇に直面しながらも被爆者の皆様が示した勇気こそ、人類の希望の光です。

被爆者の方々が力強い証言を語り続けてくださっていることに、心から感謝申し上げます。

被爆者の皆さまの努力は核兵器に反対する力強い世界的な運動を築きました。その根底にあるのは、たった一つの目をくらます爆弾が、世代を超えて人の心に響く計り知れない苦しみを生むことを、身をもって知っておられることです。

世界中の人々、特に若い世代に被爆者の皆様の声が必ず届くように国連が全力で支援することを改めてお約束いたします。

長崎の人々は、原爆によって灰塵と帰した街から文化的な大都市を築き上げました。そして、このダイナミックな街は、近代性と進歩を体現している一方で、皆様は他の街が核による破壊に決して見舞われないよう尽力されています。

原子爆弾投下による長崎の破壊から76年経った今でも、私たちは引き続ききのこ雲の陰影の下で生きています。核兵器が使用される危険性は、冷戦最盛期以来、最も高くなっています。

核保有国は、より強力な核兵器の開発を競い、それを使用する潜在的な状況を考えています。好戦的論調が高まる中、対話は途絶えがちです。

しかし、最近希望をもたらす二つの進展がみられました。アメリカとロシアが「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」ことを再確認し、両国が軍備管理に関する対話に取り組む約束をしたことを私は歓迎します。

また、核兵器禁止条約締約国に対し、条約発効に至ったことにお祝いの言葉を申し上げます。この条約は、多くの国が抱える核兵器がもたらす生存の危険への正当な恐れを表しています。

これらの進展が、転機をもたらす前ぶれであることを望みます。私は、来る第10回核兵器不拡散条約運用検討会議において、核兵器に反対する規範を強化し、核兵器の廃絶に向けた措置を講じるよう全締約国に求めます。

国連は、戦争の惨害を防ぐために創設されました。全ての国連加盟国には、この目標を達成するために人類史上最大の破壊力を持つ兵器の廃絶を追及する責務があります。

1945年8月9日、ここ長崎で起こった悲劇を二度と繰り返さないよう、私たちは共に力を合わせなければなりません。

ご清聴ありがとうございました。

2021年(令和3年)8月9日
国際連合事務総長 アントニオ・グテーレス

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