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国際高齢者デー(10月1日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-067-J 2010年10月01日

「国際高齢者デー」は今年で20回目を数えます。高齢者の人々は指導者として、介護者として、そしてボランティアとして、あらゆる社会で貴重な役割を果たしています。しかし、その一方で差別や虐待、無視、暴力を受けやすい立場にもあります。

国連は長年にわたり、高齢者の権利と安寧のために、またその声を聞いてもらうために、努力を続けてきました。今年の国際デーは、特にミレニアム開発目標(MDGs)の関連で、私たちが苦心して積み上げてきた成果を祝う機会です。多くの国々で、高齢者は貧困率と飢餓率の低下、医薬品や保健サービスへのアクセス改善、そして教育と労働の機会拡大による恩恵を受けてきました。

それでも、MDGs全般について当てはまるとおり、すべての国と地域で前進に格差が見られます。例えば、エイズのまん延による影響が最も大きい国々では、エイズ孤児が祖父母に育てられることも多くなっています。サハラ以南アフリカでは、農村部に暮らす60歳以上の女性のうち20%が、孫の唯一の保護者となっています。これら高齢の保護者は必要なリソースを全く、あるいは、ほとんど持たない上に、保護者としての追加的な、予期せぬ責任を負わされるのが普通です。このような高齢者とその家族がどうにか生きていけるようにするためには、生活保護をはじめとする社会サービスが絶対に必要となっています。

高齢者はその数で見ても、人口全体に占める割合で見ても、急激に増えています。この30年間で、その数は2倍に増えました。2050年までに、全世界の高齢者人口は合計で20億人に達する見込みです。このように、世界の人口構成が大幅にシフトすれば、私たちすべてに影響が及びます。

今年の国際デーにあたり、私は政府に対し、高齢者のニーズにより本格的に取り組むよう呼びかけます。社会サービスへの普遍的アクセスの提供、年金制度の数と規模の拡大、職場での年齢や性別による差別を防ぐ法律と政策の策定など、そのための主要な施策はよく知られています。2015年のMDGs達成期限を5年後に控えた今、数百万人の高齢者を貧困から救い、高齢者が尊厳ある生産的で健康的な生活を営む権利を確保できるよう、各国政府が金融面、法律面および社会面の保護を制度化する機は熟したといえます。