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国際生物多様性の日(5月22日):事務総長メッセージ

プレスリリース 09-018-J 2009年05月19日

持続可能な開発に関する世界サミットでは、2010年までに生物多様性の低下を減速させるという合意ができ上がっているにもかかわらず、地球上の生物多様性の損失は恐るべき速さで進んでいます。その主な原因としては、森林破壊や生息地の変化、土地の劣化などがあげられますが、これらはしばしば気候変動による影響の増大にも関連しています。そしてもう一つの脅威が、今年の「国際生物多様性の日」でも焦点とされている、侵入外来種の拡散です。

グローバリゼーションの不要副産物ともいえる外来種は、全世界で生態系サービス、人々の生活、そして経済に悪影響を及ぼしています。南アフリカ政府だけでも、アカシア属の木をはじめ、貴重な農地や河川水系、さらにはケープフローラル・キングダムなどの経済的に重要な観光地に侵入してきた植物を根絶する取り組みに、年間6,000万ドルもの費用を負担しています。

北米の五大湖地域では、カワホトトギスガイと呼ばれる二枚貝が海運、漁業、発電を阻害しています。太平洋諸島の全域では、外国船舶から侵入したネズミが固有種の鳥を絶滅に追い込んでいます。また、多くのアフリカ諸国では、ホテイアオイが湖沼や河川を埋め尽くし、水生の野生生物と、これを利用するコミュニティや産業に打撃を与えています。

このほか、侵入外来種が各地に固有の生物多様性、農業、林業、漁業、さらには健康に影響を及ぼしている例は、枚挙に暇がありません。このような脅威は気候変動をはじめ、その他の生物多様性損失要因の存在により、ますます高まります。貧困削減や持続可能な開発、そしてミレニアム開発目標(MDGs)への影響も計り知れません。

「生物多様性条約」は、グローバルな優先課題とガイドラインの設定、情報とノウハウの共有、および、国際的な行動調整への支援により、侵入外来種の脅威に取り組んでいます。もっとも費用効果的で実行可能な対策は予防です。この戦略が成果をあげるためには、政府や各経済部門、NGO、国際機関が連携する必要があります。どの種に侵入のおそれがあるか、侵入源はどこが考えられるか、また、これに対処する最善の管理手段として何が選べるかを知らなければ、どの国も侵入を防ぐことはできません。

各個人にも責任があります。国内的、国際的な検疫・税関規則を順守すれば、害虫や雑草、病気の蔓延を防げるからです。生物はそのまま生息地に残し、思い出だけを持ち帰るという簡単なルールさえ守ればよいのです。

来年は「国際生物多様性年」です。主な行事として、国連総会でのハイレベル協議や、名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)などが予定されています。こうした行事は、地球の生態系保全に向けた今後の戦略策定に貢献することでしょう。外来種の侵入を防ぐとともに、他の生物多様性損失の原因にも取り組むことが急務となっています。私はあらゆる政府や機関、そして個人に対し、地球上の生物保護の取り組みに改めて力を入れるようお願いしたいと思います。