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世界の先住民の国際デー(8月9日)に寄せる潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 08-044-J 2008年08月26日

1994年、国連総会は8月9日を「世界の先住民の国際デー」と宣言しました。この決定には多くの理由がありますが、先住民の権利の推進と保護を支持するという国連の姿勢をはっきりと、強く示す必要性を総会が認識したことが、その最も根本的なきっかけでした。そこには、先住民の疎外と極端な貧困、その伝統的な所有地の没収など、過去、そして現在も先住民が受け続けている深刻な人権侵害に終止符を打つという目的がありました。事実、先住民が受けてきた仕打ちの中には、人類史上で最も過酷な出来事もいくつか含まれています。

国際デーの宣言も確かに重要ではありましたが、それはさらに大きな転機の前触れにすぎませんでした。国連総会は昨年秋、「先住民の権利宣言」を採択したからです。この宣言は、先住民の人権擁護に向けた画期的な一歩といえます。宣言には、国家が先住民との関係を構築または再構築するための枠組みが盛り込まれています。20年を超える交渉の末に成立したこの宣言は、国家と先住民がその関係を強化し、和解を促進し、過去の過ちを決して繰り返さないようにする上で、絶好の機会を提供するものです。私は加盟国と先住民に対し、相互尊重の精神をもって和解を進めるとともに、宣言が全世界に現実的なプラスの影響を及ぼせるよう、これを「生きた文書」として活用することを促したいと思います。

今年2008年は「国際言語年」にもあたります。よって、今年の国際デーはまた、世界の多くの言語が直面している静かな危機を認識する機会であるともいえましょう。その圧倒的多数は、先住民の言語だからです。こうした言語がなくなれば、世界の文化的多様性が低下するだけでなく、私たち人類全体が共有する知識も失われることになります。私は各国や先住民はもとより、国連システム、さらにはあらゆる関係者に対し、絶滅の危機に瀕した言語を保護、促進し、この共有遺産を確実に子孫に伝えていくため、直ちに行動を起こすよう呼びかけたいと思います。