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国際移住者デーに寄せる国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-103-J 2010年12月27日

グローバル経済の停滞が続く中、数多く生じた危機の影響は、特に世界で2億1,400万人を数える国際移住者に重くのしかかっています。

移住は安全で、正規の経路を通じて行われたほうが、すべての人々を利する可能性は高くなります。しかし、正規の移住機会は少なくなってきました。失業の増大で差別に拍車がかかっています。両極化を助長するような政治も盛んになってきました。

このような混乱の時期にこそ、グローバル経済の発展を支えてきた移住者の根本的な役割を思い起こすことが重要です。

移住者は経済成長と人間開発に貢献します。また、文化的多様性や知識、技術交流を通じて社会を豊かにします。さらに、高齢化による人口構成の偏りも和らげます。

移住を積極的な地位向上として経験する人々が多い一方で、人権侵害や排外主義、搾取に耐え忍ぶ人々も多数います。

移住者の権利擁護に向け、より一層の取り組みを進める必要があることは明らかです。こうした理由から、14の国連機関と国際移住機関(IOM)、世界銀行からなる「グローバル移住問題グループ」は去る9月、数千万人に上る非正規移住者をはじめ、すべての移住者の人権を守る必要性を強調する共同声明を採択しました。非正規の移住者は、基本的な労働保護や適正手続きの保証、身の安全、保健医療を認められないことが多くなっています。これら移住者はまた、長期にわたる拘置や虐待のほか、場合によっては隷属やレイプ、さらには殺人の犠牲者となりやすい立場にもあります。グローバル移住問題グループは、移住者の地位に関係なく、国際法ですべての人々に保障された基本的権利を推進、保護するよう呼びかけており、私はこれを支持します。

私は「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」をまだ批准していない多くの国々に対し、これを批准するよう強く促します。また、この条約の締約国に対しても、条約で保障された権利の実現を図るための取り組みを一段と強化するよう呼びかけます。多くの国際移住者が非正規の移住者であるからといって、その人間性や権利を奪われるようなことがあってはなりません。私たちはともに、世界人権宣言の基本原則を再確認しようではありませんか。「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利とについて平等である」ことを。