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「アフガニスタン、国民の危機」共同声明
(2001年9月24日)

プレスリリース 01/81-J 2001年10月01日

アフガニスタンでは、驚くべき規模の人道危機が起こりつつある。最近では、20年間の残虐な紛争、3年間の深刻な干ばつ、大規模な人権侵害、および、人々の大移動に現在の地政学的危機が拍車をかけ、女性と子どもを大多数とする500万人以上の一般市民が、必死に生存にしがみついている。そのしがみつく力は、冬の到来によってさらに弱まることになろう。

 世界がアフガニスタンとその近隣国を注視する中で、私たちは次のような広範で悲惨な人道的危機の指標に注意を喚起する。

● 家を離れなければならなくなった100万人以上の避難民を含め、現在では500万人以上が生きるために人道援助を必要としている。
● 数万人の人々が現在、安全と援助を求めてさまよっているが、UNHCRは移動できない人々がこの数以上に存在すると確信している。
● すでに、380万人のアフガニスタン人が、国連の食糧援助に頼って生活している。WFPによれば、11月1日までに、その食糧供給に依存する人々は550万人に達すると見られる。
● UNICEFによれば、これら困窮した人々の20%は5歳未満であり、そのうち多くはすでに、ぎりぎりの生活を迫られている。
 
国連機関とその他の援助機関は、国内に留まっている数百人の献身的なアフガニスタン人スタッフの助けにより、避難民キャンプの運営と食糧配給を続けている。しかし、国際的な人道アクセスがないため、状況は非常に悪化している。現在のところ、追加的な食糧はアフガニスタンに届いておらず、WFPの推計によれば、国内の食糧備蓄は2週間から3週間のうちに枯渇すると見られる。

 私たちは、9月11日の恐るべき、そして悲しむべきテロ攻撃によって傷ついた世界に対し、国際人道法の原則に留意し、数百万人の子どもと女性をはじめとする一般市民を守るべく、あらゆる措置を講じるよう促す。

 私たちは同地域内諸国をはじめとする国際社会全体に対し、人道援助努力を支援し、困窮したすべての人々に対する安全な国際的人道アクセスを執拗に迫り、国際的・国内的援助要員の安全を保障し、アフガニスタンと近隣諸国における人道的大災害の可能性を低めるすべての措置を支援し、困窮した人々に対して国境を開放することにより、さらなる悲劇の予防を助けるよう求める。

 私たちは特に、350万人のアフガニスタン人を受け入れてきたパキスタンとイランのすでに莫大な負担を認識し、UNHCRとともに、庇護国が保護と人道援助に値するすべての人々にその国境の開放を確保するための国際的支援を促す。

 私たちは、この地域における人道援助努力の支援を続ける政府、組織および個人のドナーに感謝するとともに、国際社会に対し、人道危機が深刻化する中でその支援を増大するよう促すものである。

キャロル・ベラミー国連児童基金(UNICEF)事務局長
キャサリン・バーティーニ世界食糧計画(WFP)事務局長
ルード・ルベルス国連難民高等弁務官(UNHCR)
マーク・マロック・ブラウン国連開発計画(UNDP)総裁
大島賢三・人道問題調整部(OCHA)緊急援助調整官
メアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官