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総会、エルサレムの地位に関する国連決議の遵守をすべての国に要求

2017年12月29日

占領下の東エルサレムおよびその他のパレスチナ被占領地域におけるイスラエルの違法行為に関する第10回緊急特別総会再開会期で、「エルサレムの地位」に関する決議の最終投票結果を表示する国連総会議場のパネル©UN Photo/Manuel Elias

20171221 – 国連総会はきょう、米国が先に、エルサレムをイスラエルの首都として承認する旨決定したことを受け、加盟国の圧倒的多数の賛成により、すべての国に対し、聖都としてのイスラエルの地位に関する安全保障理事会決議を遵守するよう「要求」しました。

加盟国193カ国で構成される総会は、賛成128票、反対9票(グアテマラ、ホンジュラス、イスラエル、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、トーゴ、米国)、棄権35票で決議を採択し、エルサレムの地位に関する最近の決定に「深い憂慮」の念を示すとともに、この聖都の「最終的な地位に関する問題は、関連の国連決議に基づく交渉を通じて解決すべき」ことを強調しました。

きょうの総会決議は、安保理が18日、同様の内容の決議を採択できなかったことを受けて、採択されたものです。「エルサレムの地位に関する最近の決定」について憂慮を表明する安保理決議案は、常任理事国である米国の拒否権により否決されました。*決議案(S/2017/1060)の邦訳はこちら

この決議案の否決に先立ち、ニコライ・ムラデノフ中東和平プロセス特別調整官は安全保障理事会に対し、ドナルド・トランプ米大統領が12月6日、エルサレムをイスラエルの首都として承認する決定を下してから、イスラエルとパレスチナ被占領地域の治安情勢が緊張を高めていることを伝えました。

安保理決議案の否決を受け、イエメンとトルコは、それぞれアラブ・グループ議長国、イスラム協力機構サミット議長国として、総会議長に対し、いわゆる「平和のための結集」手続きに基づき、第10回緊急特別総会を「至急再開」するよう要請しました

総会決議377(1950)に基づくこの手続きは、安保理での拒否権行使に対処する脇道の役割を果たします。安全保障理事会が行動を起こさないか、中国、フランス、ロシア、英国、米国という常任理事国すべての意見が一致しない場合、総会はこの手続きを通じて「加盟国に適切な集団的措置を勧告することを趣旨とする」事項について審議するため、緊急特別総会を招集することができます。

第10回緊急特別総会から、総会は会期を一時休止して「総会議長に対し(…)加盟国からの要請に応じ、会期を再開する」権限を与えています。これによって、総会は緊急議題を迅速に審議できるようになりました。

2009年に開かれた前回の緊急特別総会の再開会期では、東エルサレムとパレスチナ被占領地域が議題に上りました。

総会決議に拘束力はなく、安保理で合意された措置のような国際法としての効力もありません。

緊急特別総会と決議3771950)についてさらに詳しくは、こちらをご覧ください。

きょうの決議は「すべての国が聖都エルサレムに関する安保理決議を遵守し、これら決議に反する行動も措置も承認しないこと」を求めています。

総会はさらに「聖都エルサレムの性質、地位または人口構成を変更したと主張するいかなる決定も行動も、法的効果を持たず無効であり、関連の安保理決議に従い撤回しなければならない」ことも確認しています。

また、総会はこの関連で、すべての国に対し、1980年に採択された安全保障理事会決議478に基づき、聖都エルサレムへの外交使節団の常駐を控えるよう呼びかけています。

総会は、2国家共存という解決策を危険にさらす負の流れを逆転させるよう改めて求めるとともに、中東で包括的、公正かつ恒久的な和平を滞りなく実現するための取り組みと支援を国際的にも、地域的にも強化するよう、強く訴えました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。