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グローバル・キャンペーン「災害に負けない病院」を発表

プレスリリース 08/ISDR_01-J 2008年01月24日

*国連国際防災戦略事務局(UN/ISDR)のプレスリリースのご案内です。

多くの病院や医療施設が毎年、地震やハリケーン、洪水などの自然災害により破壊され、あるいは、損害を受けています。医療施設が破壊されると、何百万もの人々が災害時または災害後において緊急医療を受けることができなくなります。

2007年8月5日、わずか2分でピスコ市(ペルー)の病院の97%ものベッドがマグニチュード8の地震により使用できなくなりました。2005年10月に発生したパキスタンの地震では、被災した地域の50%の医療施設が完全に破壊されました。死者は7万3千人にのぼり、負傷者15万人、320万人が被害を受けました。2004年12月のインド洋で起きた津波では、インドネシアのバンダ・アチェの医療施設の61%が破壊されました。

「災害に負けない病院」と題した世界規模のキャンペーンが、明日、スイス・ダボスにおいて国連国際防災戦略事務局(UN/ISDR)と世界保健機関(WHO)によって発表されます。このキャンペーンは世界銀行の「災害軽減・復興グローバル基金(GFDRR)」の支援を得て実施されるものです。

「災害が起きたときに医療施設が破壊してしまう代償に比べれば、医療施設をより安全にすることへの投資は、決して高いものではありません。」とサルバノ・ブリセーニョUN/ISDR事務局長は述べています。「災害時につぶれてしまう病院が、最も高価な病院なのです」

新しく病院を建設する際に、デザインと建築に掛かる全体の初期投資の4%以下の額を投資するだけで、災害対策を講じることができます。ほんの1%の改造費で、病院全体の約90%におよぶ価値を守ることができます。

災害時の一次医療(プライマリー・ヘルス・ケア)施設への損害は、国内の医療基盤と医療システムに深刻な影響を与えます。惨事の後、何カ月にもわたって全人口が不可欠な一次医療と医療施設に十分にアクセスできない、という状態が続くこともあります。このような状況下では、伝染病などの危険が高まると同時に、定期的な予防接種、母子医療などの欠かせない医療サービスが中断されることを意味します。

WHOとUN/ISDRが主導するこのキャンペーンは、以下のような3つの目標を掲げています。
— 災害時に患者の命を救えるよう、医療スタッフと行政による医療施設の構造を強化する。
— 災害後においても、医療施設と医療サービスの機能が継続できるように対策を講じる。
— 医療施設で働くスタッフが災害時に医療行為を続けられるよう、対応・防災計画に関する研修や訓練を行い、災害に十分備える。

「最近、防災に関する知識や政治的コミットメントが高まり、医療施設を災害から守るための対策を講じることが可能になっています。それは資金が限られている開発途上国においても可能です」とWHOの緊急時医療担当部事務次長アラ・アルワン博士は述べています。WHOは、各国に対し、既存および新たな医療施設に対する災害被害軽減に関する多くの技術支援を行っており、被災地の人々の医療サービスの確保に貢献しています。これらの活動は幅広く、災害に対する脆弱性軽減ガイドラインの作成や医療施設のリスク・アセスメント、地域の諮問チームの招集、過去の災害からの教訓に関する印刷物を作成するなどが含まれます。

キャンペーンは医療施設の安全性に関する業務に携わる意思決定者、政治家、建築家、技術者、公衆衛生の専門家、開発銀行、ドナーが行動を起こし、病院および医療施設を災害に負けないものにすることを訴えています。

「災害がもたらす医療施設への損害は、経済的および人間開発の側面から見ても、多大な影響をもたらします」と世界銀行のリチャード・ニューファーマー国連・WTO担当特別代表は述べています。「地震、洪水、サイクロンに襲われた際、被災者たちはいろいろな緊急支援を必要とします。もし医療基盤が崩壊したら、被害はさらに大きいものとなります。ほとんどの場合、もっとも影響を受け苦しむのは貧困層です」と、氏は述べます。

世界銀行は、防災・減災活動に関する最大の開発支援を提供している組織です。1984年以来、世界銀行による災害対策に関する支援は、全体の約10%にのぼります。世界銀行は「災害軽減・復興グローバル基金(GFDRR)」を通して、ますます災害リスクの予防と長期復興支援への投資に焦点を当てつつあります。

世界銀行は、地震国であるトルコ、ルーマニア、インド、コロンビアで、厳しい耐震基準が満たされるように病院と医療施設の再建・復興を支援しています。東カリブ海のグレナダ島とサンタルチア島においてもそれぞれ、2004年と2007年にハリケーンにより多大な被害を受けました。世界銀行は、医療施設が将来の緊急事態に備えるよう支援しています。

2005年1月、神戸において「兵庫行動枠組」が168カ国の政府により採択されました。この枠組みは、新たな病院の建設の際には、災害時にも医療施設としての機能を果たすことができるようそれらを建設するように政府に対策を求めています。

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Press Release
UN/ISDR 2008/2