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COP4、ブエノスアイレス行動計画を採択

1998年11月14日

 170カ国の政府が一堂に会し、2週間にわたって開かれた第4回気候変動枠組条約締約国会議は11月14日、地球的気候変動のリスクを軽減するための2ヶ年行動計画を採択して閉幕した。

 行動計画は、1992年の「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)」に関する作業を迅速化し、先進国が今後、1997年の京都議定書に沿った行動をとる道筋を立てるもの。同議定書の5%排出削減目標は、先進国による温室効果ガス排出量の歴史的な増大傾向を停止・逆転させ、世界経済を環境的により持続可能な道に乗せることをねらいとしている。

 行動計画は、2000年以降に合意が発効する時点で、その完全実施が可能になるよう、京都議定書で積み残された細部の詰めを行う期限を設けている。京都議定書の「メカニズム」に加え、行動計画は、遵守問題および政策・措置への取組みも図っている。

 行動計画はさらに、開発途上国への気候にやさしい技術の移転に関する作業を推進するとともに、地球温暖化、および、その対策による経済的帰結の影響を受ける国々の特殊なニーズと懸念にも対処する。

 「困難な交渉を通じ、重大な成果が達成された」と語るのは、会議で議長を務めたアルゼンチンのマリア・フリア・アルソガライ天然資源・持続可能開発大臣。「本件行動計画は、京都議定書の空隙を埋め、その早期実施への道を開くものだ。」

 マイケル・ザミット・クタジャー条約事務局長も、「政治的期限付きの行動計画ができた」と述べる。「2000年末の第6回締約国会議では、その真価が問われることになろう。」

 京都議定書のメカニズムは、激しい討論の的となった。議定書によれば、先進国同志で排出枠を売買できる国際的な「排出権取引」制度が導入される。また、開発途上国および経済体制移行国における排出抑制プロジェクトへの資金提供の見返りに追加的排出権を認めるものとして、「クリーン開発機構(CDM)」および共同実施(JI)プログラムが設けられている。

 これらメカニズムの実効性と信頼性を確保するため、作業計画では、メカニズムの性質および対象範囲、プロジェクトの適格性に関する判断基準、持続可能な開発との整合性、監査・検証に関する判断基準、各機関の役割、原則および指針などの問題を取り扱うことができる。

 11月12日の会合では、米国が京都議定書に署名し、60番目の署名国となった。1990年時点における先進国全体の二酸化炭素排出量の55%以上を占める先進国を含む55カ国以上が署名および批准を終えた段階で、議定書には法的拘束力が生じることになる。現在までに、先進国全体の排出量の78.7%を占める先進国が署名を行っているほか、フィジーとアンチグア・バーブーダの2カ国が批准を終えている。

 先進国、開発途上国双方に関する今後のコミットメントの問題は議題に上らなかったが、会議の舞台裏では、この問題に関する非公式な協議も行われた。アルゼンチンのカルロス・メネム大統領は、参加者に対する演説の中で、2008年から2012年までの期間につき、同国が自発的な排出制限目標を設定する意思を表明。キルギスタンも、先進国グループに加わり、法的拘束力のある目標値を受け入れる意思を明らかにした。

 ホンジュラス、ニカラグアおよび近隣国におけるハリケーン災害を受けて、会議は中米との連帯に関する決議を採択した。決議では、気候現象に対する中米の高い脆弱性、および、気候変動と異常気象の連関の可能性を探る科学調査を進める必要性が認識された。

 会議には首相1人、副大統領および副首相数人、閣僚70人、ならびに、政府高官1,500人を含む5,000人以上の参加者が出席した。11月13日からの会合には、政府間機関および非政府機関からのオブザーバー約2,600人と、報道関係者880人も参加した。
 ブエノスアイレス締約国会議は、財界および環境保護団体を代表する150の非政府機関の積極的な参加によって彩られた。100回を越えるセミナーおよびワークショップでは、気候変動のリスクを抑えるための地球的なキャンペーンに対する業界と市民社会のコミットメントの増大が如実に示された。

 次回の締約国会議(COP-5)は、1999年後半に開催予定だが、開催場所は未定。COPの補助機関は、その準備を行うため、1999年5月から6月にかけ、ボンで会合を開く予定。

 気候変動枠組条約および議定書を含む公式文書は、インターネットのホームページhttp://www.unfccc.deで、その他の参考資料はhttp://www.unep.ch/iuc/でそれぞれ閲覧可能。

 

 インタビューあるいは追加的情報に関する照会先は以下のとおり。

Michael Williams
United Nations Environment Programme (UNEP)
Information Unit for Conventions, Geneva
Tel.: (+41-22) 917 8242/44
Fax: (+41-22) 797 3464