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アナン国連事務総長、グローバル・コンパクト諮問委員会の
第1回会合を召集

プレスリリース 02/012-J 2002年02月07日

新しい委員には財界のトップ、
国際的な労働界のリーダー、学識経験者を起用

 コフィー・アナン国連事務総長は、グローバリゼーションが世界のすべての人々に資するようにするという運動の強化を目指して、1月8日、財界のトップ、国際的な労働界のリーダー、市民社会団体の人々によるグローバル・コンパクトの新しい助言委員会を招集した。グローバル・コンパクトは、人権、労働者の権利、環境問題に関して国際的に合意された原則を支援するために各種の活動を促進するイニシアチブである。

 助言委員会の主要メンバーは、審議の後、ニューヨークの国連本部で記者会見を開いた。出席者は、ゴールドマン・サックスのボブ・ホーマッツ副会長、カルバート社のバラブラ・クラムシーク社長兼CEO、アシャンティ・ゴールドフィールズ社のサム・ジョナ社長、国際自由労連(ICFTU)のビル・ジョーダン事務総長、国際自然保護連合(IUCN)のアーヒム・スタイナー会長などであった。

 事務総長は、グローバル・コンパクトの盛り上がりに対応して、この助言委員会  活動家と企業の経営陣が力を合わせて多様な問題に取り組むという国連の歴史ではじめての管理機構  を発足させることを決定した。19997月に開始して以来、グローバル・コンパクトには、数百の企業、労働団体、学術組織、市民社会団体が参加している。参加の意欲表明は毎週、何十にものぼっている。

 グローバル・コンパクトは、規模が拡大するにつれて、その活動の範囲も大幅に広がってきた。参加企業は、単独で、または国連機関や市民社会団体との協力で、HIV/エイズと戦い、強制的な児童労働を排除し、成人の識字率を高め、農村社会によりよい医療を提供し、破壊の危険に瀕した環境資源を保護し、人種主義や職場での差別をなくし、情報技術へのアクセスを拡大するために、さまざまなプログラムを開始している。

 結果に重きをおくこうした活動に伴い、グローバル・コンパクトの方針をめぐる各種の話し合いも行われている。これは、たとえば紛争地域での企業活動の際に直面する倫理的なジレンマなど、差し迫った微妙な問題に取り組む上で、主な行為者を結びつける役割を果たしている。また、グローバル・コンパクトは、ネットワーク上にインタラクティブな「ラーニング・フォーラム」を設けた。参加企業は、このフォーラムで、目標の達成に向けてそれぞれの経験を伝え合い、共有することができる。

 こうした活動の高まりの中で、事務総長は、統治と戦略という中心的な問題に改めて注意を向けるために、諮問委員会を招集した。委員会のメンバーたちは、国際的な商業活動、労働問題、人権の分野で蓄えてきた数々の経験を基礎にして、この活発な活動を保護し、さらに強化していく上での長期的な重要問題を検討することになろう。

 諮問委員会の主な仕事の1つは、グローバル・コンパクトの有効性を高め、そのすぐれた価値を守るために、よりよい参加基準を提案することである。また、委員会のメンバーは、戦略と方針に関する主要な問題について事務総長とそのスタッフに助言を行うとともに、活動の擁護者としての役割を果たすことも期待されている。

 実際面では、企業のトップがグローバル・コンパクトへの参加の意思を表明した後に確実に活動にかかわるようにする方法を検討するため、個人の資格で行動する専門家が必要とされるだろう。さらに、諮問委員会は、どのような企業行動がグローバル・コンパクトの精神に反するかについても考察することになっている。

 諮問委員会のメンバーは、長期的な方針の問題に答えを出すのに加えて、グローバル・コンパクトの主な活動分野の今後の発展について話し合い、それぞれの国、地域、または社会の中で、活動の到達範囲を広げ有効性を高める方法についても提案を行う予定である。

詳しくは、国連広報局開発・人権担当ティム・ウォールにお問い合わせください。
電話:(
1-212963-5851または
電子メール:
wallt@un.org.