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シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第80号】2/4付資料

2015年02月06日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

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ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第80号/201524

 

シリアの化学兵器生産施設12カ所のうち1カ所を破壊

化学兵器禁止機関(OPCW)は2月3日、記者声明を発表し、かつて化学兵器生産施設として使われていたシリアの地下構造物1カ所の破壊が、1月31日に完了したことを明らかにしました。残る11カ所の生産施設については、破壊活動と準備作業が続いています。

「いくつかの技術的な理由により、これまで遅れていた1カ所目の施設の破壊が完了したことを歓迎します。私はまた、残る破壊活動が予定どおりに進むことを期待しています」。アフメット・ウズムジュOPCW事務局長は、このように語りました。

OPCWは現在までに、シリアが申告した化学兵器の98%の廃棄を確認しています。

-詳しくはOPCWプレスリリースをご覧ください。

http://www.opcw.org/news/article/first-of-12-chemical-weapon-production-facilities-in-syria-destroyed/

 

◆国連高官、レバノンのシリア難民に対する支援の継続を要求

23、トリポリで記者会見に臨んだシグリッド・カーグ国連特別調整官は、シリア危機の影響に対する取り組みの一環として、レバノン当局に対する支援を継続するよう求めました。特別調整官はレバノン当局との会合で、脆弱なレバノンのコミュニティが多数のシリア難民を受け入れていることと、人道援助の継続が必要であることを重要な問題として取り上げました。「国連チームはパートナーとの連携により、レバノン脆弱なコミュニティのニーズと、避難してきたシリア難民のニーズをともに満たそうとしています」。特別調整官はこのように語りました。

-カーグ国連特別調整官の発言は以下をご覧ください。

http://reliefweb.int/report/lebanon/united-nations-special-coordinator-sigrid-kaag-transcript-remarks-press-tripoli-enar

 

◆国連、政治的解決に向けた努力への支援を再確認

ステファン・デュジャリック国連報道官22、最近になってモスクワで開かれたイラク当事者間の和平交渉に関する記者からの質問に対し、国連はシリア危機の政治的解決を図る試みをいずれも支持すると述べました。そして、ステファン・デ・ミストゥーラ シリア担当事務総長特使の代理人も、この交渉に出席したことを指摘しました。「私たちはこれを受けて、重要な取り組みを続けているロシアの担当者と、密接な接触を保っています」。報道官はこう付け加えました。

-詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.un.org/press/en/2015/db150202.doc.htm

 

◆ヤルムークのパレスチナ難民の状況が悪化

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は22、食料も水もほとんど得られないまま、ダマスカス郊外のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに取り残されている約1万8,000人の状況悪化について、深い懸念を表明しました。UNRWAは声明の中で、キャンプには電気がなく、ほとんどの民間人は医療や家財道具、十分な避難所や暖房など、不可欠なニーズを充足できていないと述べました。しかも、狙撃者による攻撃、迫撃砲の影響、治安の悪化によって、UNRWAは救命用の援助物資を配給できていません。パレスチナ難民の苦難を終わらせるため、UNRWAはすべての関係当事者に対し、ヤルムークとその周辺での戦闘を直ちに中止し、難民の人道的ニーズを最優先させるよう呼びかけました。

-詳しくはUNRWAプレスリリースをご覧ください

http://www.unrwa.org/newsroom/features/%E2%80%98we-don%E2%80%99t-know-when-it-will-end%E2%80%99-anguish-yarmouk

 

WFP、食料援助物資へのISILのラベル貼付に懸念を表明

国連世界食糧計画(WFP)は23、WFPが配給する食料の箱に「イラクおよびレバントのイスラム国(ISIL)」のラベルが貼られた画像がソーシャルメディアに出回っていることにつき、大きな懸念を表明しました。WFPはこれら写真の信憑性、撮影された場所、この事件を取り巻く状況を確認中だとしています。「WFPは、シリア国内で絶対に必要とされている食料援助の様子が、このような形で改ざんされていることを非難します。私たちはすべての紛争当事者に対し、人道の原則を尊重するとともに、私たちのパートナーを含む人道援助要員が、社会的に最も弱く、空腹を抱えた家庭に食糧を届けられるようにすることを強く促します」。ムハンマド・ハディWFPシリア危機担当地域緊急援助調整官はこのように述べました。

WFPは危機の発生当初から、シリアでの活動を一貫して継続し、毎月400万人以上に援助を提供してきました。これに加えて、周辺国の180万人を超える難民も、援助の対象となっています。

-詳しくはWFPプレスリリースをご覧ください。

http://www.wfp.org/news/news-release/world-food-programme-alarmed-images-showing-isis-distributing-wfp-food-syria

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク:

国連広報局(DPI)シリア特集ページ:

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146

 

国連の人道関係機関:

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

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国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は2月2日、食料も水もほとんど得られないまま、ダマスカス郊外のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプに取り残されている約1万8,000人の状況悪化について、深い懸念を表明した©Photo/UNRWA
国連世界食糧計画(WFP)は2月3日、WFPが配給する食料の箱に「イラクおよびレバントのイスラム国(ISIL)」のラベルが貼られた画像がソーシャルメディアに出回っていることにつき、大きな懸念を表明した©Photo/Syria
シグリッド・カーグ国連特別調整官は2月3日、シリア危機の影響に対する取り組みの一環として、レバノン当局に対する支援を継続するよう求めた©UN Photo/Eskinder Debebe