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国際コメ年 2004 スタート
~コメは文化的アイデンティティーとグローバルな連帯の象徴~

プレスリリース 03/114-J 2003年11月10日

国連は2003年10月31日、コメの生産を増加させるための国際的な取組みを本格的に開始しました。
 
 「国際コメ年2004」の開始にあたり、国連食糧農業機関(FAO)のジャック・ディウフ事務局長は「コメは世界人口の半分以上の人々にとって主食である」と述べつつも、「その生産は深刻な制約に直面している」と警告しました。
 
 ディウフ事務局長は、世界の人口が増加している一方で、コメの生産に利用できる土地や水は減少していることを指摘しました。
 
 「1970年代の緑の革命は飢餓という全世界的な負担を一部地域で大幅に緩和したものの、こうした恩恵は頭打ちとなってきている」と事務局長は警鐘を鳴らします。
 
 FAOの見通しによれば、コメの総需要は2030年までに、1997年から1999年までの平均年間生産量を3%上回ることになります。コメはアフリカでもっとも急速に普及している食糧であるとともに、全世界の人々の栄養と食糧安全保障に大きな影響をもたらします。コメを中心とする持続可能な生産システムは、世界の貧困の撲滅と国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に貢献することができます。ディウフ事務局長は国連の各国代表に次のように語りました。「アジア、アフリカおよび南北アメリカのほぼ10億世帯が雇用や生活の主要な源としてコメの生産システムに依存しています。世界のコメの約5分の4が小規模農家により生産され、地元で消費されています。コメ生産システムは、幅広い種類の植物や動物を支え、そしてこれら動植物が農村の食事と所得を補完しているのです。ですから、コメは全世界的な飢餓・貧困対策の最前線に位置する存在だと言えます」
 
 ディウフ事務局長はさらに、コメの生産と消費が多くの文化の中心となっていることを指摘。コメは「文化的アイデンティティーとグローバルな連帯の象徴」として、宗教儀式、祭典、慣習、料理および祝賀行事を特徴づけていると述べました。コメという単一の作物に一年をささげるという、国連の歴史上異例な決定が下された理由はここにあります。FAOは「おコメ、私たちの命」というモットーの下でキャンペーンを組織し、数多くの国際的な農業機関を束ねる役割を果たすことになります。
 
 国際コメ年2004は、コメ生産の「切迫する危機」を訴える44の国連加盟国により昨年なされた提案がきっかけとなっています。この提案によれば、科学者たちは1990年代初頭以降、コメの収量の伸びが鈍化し、人口の伸びを下回ったことに懸念を表明しています。
 
 この30年間でコメ生産が急速に加速したことが、世界の食糧安全保障の改善に大きく貢献したと同提案は指摘しています。しかし、依然として慢性的な栄養不足に悩む8億4,000万人のうち半数を超える人々が、コメ生産に食糧、所得および雇用を依存する地域に居住しているのです。
 
 ディウフ事務局長は次のように力説しています。「国際社会が農民、女性、子ども、そして特に貧しい人々のため、持続的な方法でコメの生産を増加させるよう共に取り組むときが来ています。多くの国々で長年にわたり、持続的な農業発展を促進することをねらいとするグローバルな構想が確立されています。『国際コメ年2004』は、国際社会がこうした構想を実行に移す上で絶好の機会となるでしょう」
 
 「国際コメ年は、全世界で各国の主導によるプログラムを実施するための『起爆剤』の役割を果たすことになる」と事務局長は語ります。「私たちは、農民からコメゲノムのマッピングを行う研究機関に至るまで、すべての関係者が持続可能性と公平性を促進する形でコメ増産という使命に携わることを目指しています。既に多くの加盟国で、国際コメ年に関する国内委員会が設置されていますが、これら委員会は、私たちの国際的なビジョンと地元の人々の実生活とを力強く結びつける役割を果たすでしょう」
 
 FAOによれば、このような戦略は過去にも成功を収めています。第2次世界大戦直後、人口が急増する一方で、コメ生産が伸び悩む中、専門家はアジアでの飢餓の発生を予測していました。FAOは独自に、1966年をコメ年と宣言しました。多くの国々で、生産、販売、調整加工および栄養を改善する措置が講じられました。また、さまざまな会議も開かれ、科学的研究が促進されました。
 
 国際コメ年2004も同様に、研究を活発化させ、改良手法の適用を加速することを目指します。地域会議や国際会議とともに、科学分野でのコンテストも開催される予定です。詳しくはウェブサイトwww.rice2004.org(日本語ウェブサイト www.fao.org/rice2004/jp)をご覧ください。

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