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国際高齢者デー(10月1日)に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 07/073-J 2007年10月01日

今年の国際高齢者デーは、「高齢化の課題と機会」をテーマに揚げています。

国民の高齢化は、先進国においても途上国においても、深刻な経済的・社会的課題となっています。統計の数値は、世界の高齢者人口の約80%が社会的保護を受けていないことを明確に示しています。持続可能な年金プログラムと新たな社会保障対策により、ますます増加する高齢者に経済的支援を提供することは、特に開発途上国において大きな課題です。

しかしその対極には、現代における人類最大の業績があります。ヘルス・ケアの水準が向上したおかげで、世界のほぼすべての場所で平均寿命がかなり延びているのです。今では高齢者には、定年を過ぎても社会貢献を続ける機会が数多くあります。高齢とは何かに関する見方も、常に変化しています。かつて高齢者は社会の重荷のように見られていましたが、今では活用可能な、そして活用すべき資産であるという認識が高まっています。

経済的・社会的発展における高齢者の役割は、高齢化に関するマドリード国際行動計画の大きな特徴の1つであり、高齢者を社会のあらゆる部分に参加させることにより、民主主義と権利を促進するものです。今年はマドリード計画採択から5年目にあたり、はじめての再検討と評価が発表されます。重要なのは、これが包括的で参加型のアプローチに基づいており、高齢者自身をプロセスに関与させるものだということです。

今年の国際高齢者デーは、すべての関係者の間で、ミレニアム開発目標(MDGs)や更に幅広い国連の開発アジェンダに沿ったマドリード計画実施の進展に関する議論を促進する機会です。私は、加盟国、NGO、国連システム、高齢者団体を含むすべてのみなさまに、今日、そして今後数カ月間の機会を逃さないよう求めます。力を合わせ、高齢者の課題と機会の両方に対してバランスのとれたアプローチを取ることにより、すべての世代が共有する社会ビジョンを実践することができるのです。