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2013年を締めくくる事務総長の記者会見 (ニューヨーク、2013年12月16日)

プレスリリース 13-095-J 2013年12月26日

皆さま、恒例の年末記者会見にようこそおいでくださいました。

私はまず、来年の重要課題について、いくつかお話ししたいと思います。しかしその前に、過去12カ月間の危機と重要な活動を振り返りたいと思います。

2013年は、シリア紛争が想像を超えて悪化した年でした。

シリアの人々は、残虐行為と破壊があと1年はおろか、あと1カ月、いや、あと1日たりとも続くことに耐えられないでしょう。

私は安全保障理事会に対し、オーケ・セルストレム教授率いる調査団の最終報告書に関するブリーフィングを行ったところです。8月のダマスカス市グータ地区に対する攻撃だけでなく、その他いくつかの攻撃でも、化学兵器が民間人も標的に用いられたとする調査結果を、私たちは深く憂慮すべきです。

私は来年の1月22日(水)、シリアに関する国際会議の招集を予定していますが、この会議への招待状は間もなく発送します。

あらゆる関係者が全力を尽くし、会議の成功を支援しなければなりません。

私はシリア当局に対し、暴力を停止し、人道アクセスを認めるよう訴えます。

シリアの両当事者に影響力を及ぼせる国と組織に対しては、建設的な関与に向けた準備を当事者に促すよう呼びかけます。

人道状況は悪化の一途をたどっています。私たちは、人々が恒常化しつつある厳しい条件に対処できるよう、越冬支援物資の配給をスタートさせたところです。

私たちは、深刻かつ慢性的な救援資金の不足も克服しなければなりません。きょう(12月16日)ジュネーブで発表された2014年のシリア向け拠出アピールは、国連史上最大の金額となっています。この65億ドルは、シリア国内でのニーズ充足のほか、国外に逃れた200万人を超える難民に対する援助にも使われることになっています。1月15日にクウェートで招集を予定している拠出誓約会議も含め、寛大な支援を是非ともお願いします。

皆様、

2013年は中央アフリカ共和国の情勢が混迷を極めた年でもありました。

私は、大規模な残虐行為の危険が差し迫っていることを深く憂慮します。そして、同国の暫定政権に対し、国民の保護を呼びかけます。宗教指導者やコミュニティ・リーダーに対しては、対立の激化を防ぐよう訴えます。

私はアフリカ諸国とフランスの部隊の展開を歓迎しています。その効果はすでに表れ始めています。

人権監視員も派遣されようとしています。国連は、残虐行為の疑いを調査するための委員会を設置する予定です。実行犯の責任を問わなければなりません。

私たちは、人道的な対応も本格化させています。460万の国民全体に被害が及んでいますが、その半数は子どもです。国内避難民は60万人を超え、難民となって国外に逃れた人々も7万人近くに達しています。今月上旬、パリで開かれた中央アフリカ危機に関するサミットで、私はアフリカ諸国の指導者と声をひとつにして、決定的な行動によってこれ以上の惨禍を食い止める必要性を強調しました。私たちがグローバルな連帯を証明するためには、さらに本格的な対応が必要です。

皆様、

このような危機が生じた一方で、2013年は外交にとって幸先のよい年でもありました。

国連はシリアが保有する化学兵器の廃棄に関し、画期的な合意を達成しました。

総会は「武器貿易条約」を採択し、長年の夢を実現しました。

加盟国は、ポスト2015年開発アジェンダの策定に向けたロードマップに合意しました。

先月、ワルシャワで開かれた気候変動会議は、2015年の合意に向けた交渉の進展を確保しました。

サヘル地域と西アフリカ地域全体で、平和維持と和平調停が安定を促進しました。

私は、きのう(12月15日)の議会選挙を平穏のうちに終えたマリの人々に賛辞を送ります。14日にキダルで起きた爆弾テロによって、私たちの決意が揺らぐことはありません。

先月、私が地域を訪問したことで、政治的、財政的支援の機運が高まりました。世界銀行と欧州連合からは、80億ドルを超える新規拠出の誓約がありました。

2013年は、国連と世界銀行との間の協力とパートナーシップが進展した年でした。私は5月、国連の仲介により2月に成立したコンゴ民主共和国と地域に関する「平和・安全・協力の枠組み」を支援するため、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁とともにアフリカを訪れました。

国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)に新たなツールを装備したことも、成果につながりました。12日には、コンゴ民主共和国とM23グループがカンパラで停戦合意宣言に署名するという、さらにうれしいニュースも飛び込みました。

イランとP5+1(安保理常任理事国とドイツ)が先月、イランの核開発計画に関する合意に達したことも、2013年の大きな出来事のひとつでした。私は、この当初の了解に基づき、残るすべての懸案事項に関し、包括的合意ができ上がることを期待します。また、イランに対し、国際原子力機関(IAEA)と全面的に協力するよう促します。私は、イラン政府が国際社会との関係改善を望んでいることを歓迎します。これによって、数多くの問題に大きな影響が及びうるからです。

皆様、

私はこの外交的な弾みが来年も続くことを望んでいます。

私たちは2014年を人々の保護の年、つまり、人々の安全、基本的権利、そして幸せを守る年としなければなりません。

来年は、アフガニスタンとアラブ世界の困難な移行にカギを握る年となるでしょう。

私はイスラエルとパレスチナの交渉担当者に対し、待望の包括的和平合意を達成できるリーダーシップと先見の明を示すよう強く促します。

私はウクライナの両当事者に対し、極端な行動を慎み、表現と平和的集会の自由という(民主的)原則を堅持するよう訴えます。私はこの週末、ウクライナの(ヴィクトル)ヤヌコーヴィチ大統領に対し、同国の将来の進路に関する対話を改めて促しました。

私はタイの全当事者に対し、暴力を慎むよう呼びかけます。そして、同国の政治的緊張を民主的プロセスで解決するという政府の決定を歓迎します。

朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)における最近の劇的な動きを受け、私はDPRKの指導層に対し、朝鮮半島の検証可能な非核化を目指すとともに、世界的な人権規範を遵守するよう改めて呼びかけます。今後は、国際社会における信頼を醸成し、長い間苦しんでいる国民の生活条件を改善することに努めるべきです。私にはそのための斡旋を申し出る用意があります。

皆様、

来年は開発にとって極めて重要な年になります。

2015年末までにミレニアム開発目標(MDGs)を達成するためには、特に衛生や妊産婦の健康など、遅れが目立つ目標に関する取り組みを加速しなければなりません。

新たなアジェンダと一連の持続可能な開発目標に合意するために、集中的な議論を行う必要もあります。

また、2014年中に本腰を入れた取り組みを行わない限り、2015年に気候変動に関する合意を達成することはできないでしょう。

私は来年の9月23日に「気候変動サミット」の招集を予定しています。私はこの会議を、世界が緊急に必要としている気候対策に向けた解決策を出し合うサミットにしたいと考えています。

異常気象は2013年も続きました。最近も台風第30号による大きな被害があったばかりです。私は19日、その影響を直に検証するため、マニラとタクロバンに向け出発する予定です。

2013年には、国連の強化を目指す私たちの取り組みも進展しました。私たちのERPシステム「Umoja(ウモジャ)」がすべての平和維持活動に展開されたことで、国連は新しい時代に突入しました。

私は、管理改革のその他2つの柱、すなわち機動性とパートナーシップについても、加盟国との協議を続けています。

私たちは活動の効率と実効性の改善に向けて、まい進しています。国連の活動に対する需要が高まる中で、2014-2015年度予算案の承認は、極めて重要です。

最後に2013年は、世界がネルソン・マンデラ氏に悲しい別れを告げると同時に、祝福を送った年としても思い出されることでしょう。総会は19日、私たちが日々目指している目標を体現した人物として、マンデラ氏に敬意を表するため、国連独自の追悼式典を開催することになっています。

私が2014年に望むものは、世界の指導者がマンデラ氏を模範とし、その倫理的、政治的責任を全うする姿に他なりません。

まさにこの精神にのっとり、私はこうした指導者のひとりであり、私たちも大きな敬意を抱いているかつての同僚ミシェル・バチェレ氏がきのう(12月15日)、チリの大統領に選出されたことを喜んで祝福したいと思います。私たちは、バチェレ氏がこの新たな役割で大きな成果を達成することを楽しみにしています。

ご清聴ありがとうございました。皆様、よいお年をお迎えください。ありがとうございました。

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2013年は、シリア紛争が想像を超えて悪化した年となった。シリア危機が始まって三度目の冬を迎える中、国連の人道支援機関は食料をはじめとする支援物資の配給に全力を注いでいる©UNHCR/A.McConnell
議会選挙を平穏のうちに終えたマリでは、国際社会の政治的、財政的支援の機運が高まりつつある©UN Photo/Marco Dormino
国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の要員と言葉を交わす子どもたち。コンゴ民主共和国とM23グループが停戦合意宣言に署名する進展が見られた©UN Photo/Sylvain Liechti
フィリピンを襲った超大型台風の傷跡が今も生々しい。気候変動による異常気象が世界各地に被害をもたらす中、温暖化対策の新たな国際枠組みづくりに向け、交渉の加速化が求められる©WFP/Marco Frattini
2013年は、世界がネルソン・マンデラ氏に悲しい別れを告げると同時に、祝福を送った年としても思い出されることだろう©UN Photo/Greg Kinch