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国際家族デー(5月15日)事務総長メッセージ

プレスリリース 13-018-J 2013年05月15日

「社会的統合と世代間連帯の促進を」

家族は社会をつないでいます。そこで生まれたつながりが、世代間の関係を通じて時代を越えて引き継がれていきます。今年の「国際家族デー」は、家族という集団のメンバー全員を結びつける絆を祝う機会です。それはまた、家族が社会や経済の動きによってどのような影響を受けているか、そして、こうした状況の中で家族の絆を強めるためにはどうすればよいかについて、じっくり考える機会でもあります。

失業により、本来は独立志向であるはずの多くの若者が、予想以上に長い間、親への依存を強いられています。安価で良質の保育サービスがないために、共稼ぎ世帯の親が仕事と家庭を両立することは難しくなっています。私たちが長寿という目標を達成しつつある中で、高齢者の年金や介護の不足にも、さらに関心を向ける必要が生じています。

このように課題が山積する中、親元で暮らしながら職を求める若者にとっても、住まいや介護を子どもに頼っている老父母にとっても、子育てを引き受けている多くの大家族のメンバーにとっても、家族への支援はこれまでよりもさらに重要となっています。

世界中で、家族の一人ひとりがその役割を果たしています。家族は政策立案者や政策決定者、公的機関や民間企業からの支援を受けてしかるべきなのです。

世代間の連帯を促進し、世代横断的なプログラムやイニシアティブを支援する政策を強化すべきであるという認識は、世界中で強まっています。十分な年金や介護者支援は、高齢者だけでなく、家族全体に対する支援となることを示す証拠もあります。老若男女を問わず、ボランティア活動を促進する世代横断的プログラムは、全ての世代にとって利益となります。あらゆる年齢の人々が連帯する機会をつくれば、コミュニティ全体が元気になります。

世代横断的なイニシアティブは、グローバルな開発優先課題への取り組みにもなります。不平等や疎外に対処し、積極的な市民活動を促すとともに、コミュニティ密着型プロジェクトを通じ、公的インフラの整備にさえ貢献するからです。

今年の「国際家族デー」にあたり、私は各国政府、市民社会、そして一人ひとりの個人に対し、すべての人々にとってより健康な世界を築くため、世代を越えた連帯への取り組みを支援するよう呼びかけます。

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