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世界統計の日(10月20日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-074-J 2010年10月15日

本日は、国連総会が私たちの社会形成における統計の重要性を認識すべく宣言した「世界統計の日」を初めて祝賀する日です。

統計は現代の生活に浸透しています。統計は多くの政府、企業、地域による決定の基礎となっています。私たちの生活に影響を与える傾向や勢力に関する情報や洞察を提供します。今年だけでも、30億人が人口・住宅センサスに参加しますが、こうした統計調査によって作成された統計は、学校、病院、道路、その他の多くのものに関する建設計画などに影響を及ぼします。

統計は、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成のための努力など、経済、社会開発のための重要なツールです。開発の成功には、貧困レベル、教育へのアクセス、疾病の発生などに関するデータ収集と統計的分析が必要です。飢えた子どもへの食料の提供、自然災害の被害者への避難所や緊急衛生ケアの提供を可能にする予算やプログラムの全側面を正当化するうえで、統計は主要な検討材料となります。

1947年に設立された国連統計委員会は実質的に統計のほとんどの分野において、国際統計の方法基準とガイドラインを作成しました。各国政府が統計報告を強化し、これまで以上にデータ入手を容易にし、国家、地域の間での比較可能性の向上を支援するうえで、同委員会は主要な役割を果たします。

私は、多くの統計専門家による報告書や出版物への貢献に敬意を表します。統計専門家の皆さんは、市民に対して、そのコミュニティーに関する信頼できる公正な情報を提供することを通じ、平和と民主主義を促進するという、重要な公務を果たしておられます。その中核的価値 ― サービス、完全性、専門性 ― は、あらゆる国において全面的な支持を得るのにふさわしいものです。

しかしながら、その他の分野と同様、開発途上国は多くの場合、給与の支払い、職員研修、データ収集のための資金に不足するなど、不利な立場に置かれています。今年、初の世界統計の日を記念するにあたり、私は国際社会に対して、すべての国が統計ニーズを満たすことができるよう、国連と協力するよう求めたいと思います。開発と平和という私たちの地球的課題に立ち向かううえで、統計が果たす重要な役割を認識しようではありませんか。