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国際生物多様性の日(5月22日)に寄せる潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ

プレスリリース 10-025-J 2010年05月19日

地球上の生物種と生息地、そして、それらが提供する財やサービスは、私たちの富、健康および福祉の基盤を形成しています。ところが、この遺産を守ろうという再三にわたるグローバルな公約にもかかわらず、地球上の生物種はこれまでにない速さで減少を続けています。生物多様性の損失により、生態系はその極めて重要な機能を果たせなくなる限界点にますます近づいています。

生物多様性の損失により、世界各地のコミュニティにマイナスの影響が及びますが、特に最貧層と最も弱い立場にある国々への被害が甚大となります。世界の貧困層の70%は農村部に暮らし、その日常的な生存と所得を直接、生物多様性に依存しています。このことは、2002年に世界の指導者が、2010年までに生物多様性の損失を大幅に抑えるという目標を設定し、これをミレニアム開発目標(MDGs)に組み入れた理由の一つでもあります。

目標達成の期限がやって来たにもかかわらず、私たちの天然資源の破壊は見る見るうちに進んでいます。この課題に改めて焦点を当てるため、国連総会は2010年を「国際生物多様性年」に定めました。今年9月、総会はMDGサミットの直後に生物多様性に関する特別ハイレベル会合を開き、10月に愛知県名古屋市で開催される国連の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に不可欠なはずみをつけることになっています。生物多様性の新たなビジョンが、その最終目標です。

この新しいビジョンでは、生物多様性の保全とその持続可能な利用、およびその利用による利益の衡平な配分を推進せねばなりません。また、今年の「国際生物多様性の日」のテーマ「開発と貧困緩和のための生物多様性」にも反映されているように、私たちの自然資本と開発目標との密接な関わり合いも認識しなければなりません。

今年の「国際生物多様性年」にあたり、生物多様性の減少の根本原因についてじっくり考え、これを食い止めるための行動に出ようではありませんか。私たちの政策や考え方を、生物種と生息地の真の価値を反映するよう、調整してゆこうではありませんか。生物多様性は生命、それも私たちの生命であることを認識しようではありませんか。そして手遅れになる前に、今こそその保全に向けた行動を起こそうではありませんか。