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国連平和維持創設60周年(5月29日)に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 08-032-J 2008年05月30日

今年の「国連平和維持要員の国際デー」は、国連平和維持創設60周年に当たります。60年前のきょう、安全保障理事会は初の国連平和維持ミッションを創設しました。当時の平和維持要員の大半は、一握りの欧米諸国から派遣された兵員で、ほとんどが非武装のまま停戦ラインの監視に当たりました。

それ以来、平和維持は国連の最も重要な活動へと発展を遂げました。現在では11万人以上の男女が、全世界の紛争地帯に展開しています。国連平和維持に対する信頼の高まりを受け、要員の出身国もほぼ120カ国と、過去最多に上っています。こうした国々は大小、貧富を問わずさまざまで、中には最近まで戦争の舞台となっていた国々さえあります。文化や経験は異なっていても、平和を育てようとする平和維持要員の決意に変わりはありません。制服組の兵士もいますが、民間人も多く、その活動は監視の域をはるかに越えています。

平和維持要員は警察の訓練や除隊兵士の武装解除、選挙支援に当たるほか、国の制度の構築にも手を貸しています。また、橋を築き、学校を改修し、洪水の被災者を助け、女性を性暴力から守っています。人権の擁護と男女平等の推進にも努めています。人道援助によって命を救い、経済開発に着手することができるのも、こうした人々の努力があるからなのです。

私はこの1年間、アフリカやアジア、中東、さらにはカリブ海を訪れ、平和維持要員の方々に会ってきました。難民が帰還し、子どもたちが学校に戻り、一般市民が法の支配のもとで再び安全を手にする姿を目の当たりにしました。そして、平和維持要員の支援を受け、社会全体が破壊から再生へと向かう様子も見てきました。ハイチで、リベリアで、そしてコンゴ民主共和国で、ブルー・ヘルメットの国連要員は、生まれたばかりの平和が歩き出せる空間を確保してきたのです。

このような成果は、地域機関の協力なしに達成できなかったでしょう。アフリカ連合(AU)と国連は現在、ダルフールで初の混合部隊を展開中です。また、隣国のチャドと中央アフリカ共和国では、欧州連合(EU)との協力も進められています。

国連加盟国の過半数が、平和維持活動に兵員と警察官を提供しています。私たちはどの国にも感謝していますが、特にパキスタン、インド、バングラデシュ、ナイジェリア、ネパールの上位5カ国には、深く感謝したいと思います。これら途上国は合計で、国連平和維持要員のほぼ半数を派遣しているからです。

きょうの記念日は祝賀の日であるとともに、殉職された方々を悼む機会でもあります。この60年の間に、2,400人以上の男女が平和のためにその命をささげました。昨年だけでも、実に87人の尊い命が失われています。

その一人ひとりがまさに英雄です。私たちはきょう、こうした人々の犠牲を決して忘れないこと、そして必要ある限り、ブルー・ヘルメットの崇高な任務を貫き通していくことを改めて誓うのです。