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長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に寄せる アントニオ・グテーレス国連事務総長メッセージ (長崎、2017年8月9日)

プレスリリース 17-035-J 2017年08月09日

中満泉軍縮担当上級代表が代読

本日、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典において、ご参列の皆様とともに、長崎の原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊に謹んで哀悼の誠をお捧げします。そして、被爆者の皆様とそのご家族に心からの敬意を表します。

ニューヨーク国連本部の総会会議場のすぐ外に、1945年に原爆によって崩壊した浦上天主堂で見つかった、焼けただれ、傷ついた聖アグネス像が立っています。この像は、核兵器の恐怖と破壊力を、私たちに静かにしかし永遠に伝えています。

長崎は、何世紀にもわたり、外国との貿易に開かれ、日本のより良い未来を築こうとした国士が集った場所として、日本の歴史に特別な地位を占めています。そして今日、私は、全世界により良い、より安全な未来を築くために、長崎と広島の被爆者の皆様が行ってこられた絶大な貢献に対し、深い尊敬の念をお伝えいたします。

近年、核兵器のない世界への道は、数多くの難題に直面しています。20年にわたり多国間軍縮交渉は停滞し、残念ながら多くの費用をかけて核兵器の近代化がすすめられています。近年においては、核兵器廃絶への方策をめぐって各国の意見の違いが拡大してまいりました。

このような中、私は、7月の核兵器禁止条約の採択という新しい展開が、核兵器のない世界という人類共通の目標の達成のために、再び機運をもたらすことを希望しています。

私は、核兵器の使用がもたらす壊滅的な結果を、広く国際社会に発信し続けてこられた被爆者の皆様を始めとする、長崎と広島の人々を称賛いたします。そして、私も、全ての政府に対し、皆様を模範として、核兵器のない世界を実現させるためにそれぞれの道筋で、これまで以上の努力を重ねていただくよう、訴えてまいります。

国際連合は、長崎の原子爆弾で犠牲になられた方々の御霊に対し、心からご冥福をお祈りするとともに、すべての人々にとって、より安全で、より良い、そしてより豊かな世界の実現に向けて、皆様とともに一層の努力を続けてまいりますことをお誓い申し上げます。

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