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パレスチナ人民連帯国際デー(11月29日)事務総長メッセージ

プレスリリース 12-059-J 2012年12月03日

国連総会が決議181を採択し、パレスチナ委任統治地域の2国家への分割を提案してから、65年が経ちました。イスラエルとパレスチナの人々がともに約束した2国家共存というこの解決策は、実現されないままの状態が続いています。最近、ガザ・イスラエル間の危険な暴力の激化を受け、中東を訪問した私は、紛争が恒久的に解決されないことによって、特に一般市民が悲惨な状況に陥っている現状を再び目の当たりにしました。中東地域で急激かつ根本的な変化が続いている中で、国際社会と当事者が和平に向けた取り組みを強化することは、これまで以上に急務となっています。

数次にわたる国連安全保障理事会の決議や、土地と和平の交換を含むマドリード原則、和平へのロードマップ、2002年のアラブ和平イニシアティブ、さらには当事者間の既存の合意に見られるとおり、和平協定の概要は以前からすでに固まっています。いま必要なのは、政治的な意志と勇気、そして歴史的な責任感と若い世代に提示できるビジョンです。

最終的な地位の問題を解決する道は、直接交渉以外にありません。しかし、信頼できる有意義な交渉の再開を可能にし、2国家共存という解決策の実行可能性を保つ条件を整備するには、まだ多くの作業が残っています。

ガザとイスラエル南部での1週間に及ぶ破壊的暴力に終止符を打った先週の停戦合意を維持することが重要です。私も繰り返し非難してきたガザからのロケット弾攻撃は止めなければなりません。2009年1月の安保理決議1860採択以来、未解決となっている諸問題を最終的に解決しなければなりません。そのためには封鎖の解除、武器密輸の防止、そしてパレスチナ人同士の和解が必要です。ガザとヨルダン川西岸地区にパレスチナ国家を樹立するためには、パレスチナの人々が交渉による2国家共存の解決策を一致して支持することが欠かせません。また、パレスチナ解放機構(PLO)の公約、パレスチナ和平4者協議(カルテット)の立場、さらにはアラブ和平イニシアティブに基づき、パレスチナの人々が自らの分裂を克服することも依然として不可欠です。

同じく重要なのは、ヨルダン川西岸地区でのパレスチナ暫定自治政府による国家構築への取り組みの評価すべき成果と、そのために必要な領土の連続性を維持することです。東エルサレムを含むヨルダン川西岸地域への入植の継続は、国際法とロードマップに反しているため、取りやめなければなりません。国際社会は現地での一方的な行動を認めません。エリアCでは、破壊や土地収用に代え、適切な開発と計画策定を可能にする必要もあります。イスラエルは国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見に反し、ヨルダン川西岸地区内で分離壁の構築を続けています。私はまた、入植者による暴力の増大で、パレスチナの人々が負傷したり、財産に損害を被ったりしている現状も憂慮しています。

パレスチナの人々はこのように、国家樹立という正当な期待の実現に多くの課題を抱えながらも、非加盟のオブザーバー国家の地位を総会に申請することを決定しました。この問題に関する結論は加盟国に委ねられています。すべての関係者が責任を持ち、建設的に問題に取り組むことが重要です。

最終的な目標は今でも、パレスチナとイスラエルの人々が何世代もの間、望み続けてきた公正かつ恒久的な和平を実現することにあります。すなわち、1967年から続いている占領状態を終わらせ、紛争に終止符を打ち、独立、存続可能性そして主権を兼ね備えたパレスチナ国家が安全を保障されたイスラエル国家と共存できるようにする和平です。私はイスラエルとパレスチナの指導者に対し、ビジョンと決意を示すよう呼びかけます。また、国際社会に対しても、両者がそれぞれの正当な期待に見合った信頼できる政治的道程を作り上げられるよう、力を貸すことを強く促します。

私は、この目標の達成を支援すべく、全力を挙げることを誓います。今年の国際デーにあたり、私はすべての関係者に対し、力を合わせ、連帯を和平に向けた積極的な行動へと移すようお願いします。

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