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世界自閉症啓発デー(4月2日)事務総長メッセージ

プレスリリース 12-013-J 2012年04月02日

自閉症はある地域や国に限られた問題ではありません。それはグローバルな行動を必要とするグローバルな課題です。

自閉症を含む発育障害は幼児期に始まり、一生続きます。私たちが自閉症の人々に働きかけや支援を行う際には、早期の発見や治療だけでなく、療法や教育計画など、生涯にわたる持続的な関与につながるステップも含めるべきです。

自閉症スペクトラム障害を持つ人々に手を差し伸べるためには、グローバルな政治的コミットメントとよりよい国際協力、特にベスト・プラクティスの共有が必要です。自閉症の人々に特有のニーズに取り組み、その才能を育てる能力を高めてゆく必要が、先進国にも途上国にもあることを考えれば、社会、教育、労働の分野で投資を増やすことがきわめて重要です。私たちはまた、さらに研究を進め、専門知識を持たない介護者に訓練を行うとともに、自閉症対策関係者がより円滑にケアシステムを活用することで、自閉症の人々を支援し、社会の主流に取り込むことのできるサービスを得られるようにする必要があります。

「世界自閉症啓発デー」は、このような行動に拍車をかけ、自閉症の人々とその家族、友人が経験する許しがたい差別や、虐待、孤立に関心を向けさせる日です。障害者の権利条約で明言されているとおり、自閉症の人々は、すべての人権と基本的自由を享受すべき平等な市民なのです。

国連郵政部はきょう、ニューヨーク、ウィーン、ジュネーブで自閉症啓発に関する6種類の記念切手と2種類のコレクション用封筒を発行します。自閉症と診断された芸術家たちの創作による図画をあしらったこの小さな紙片は、才能や創造性が私たち全員の中に宿っているという力強いメッセージを世界中の人々に伝えることでしょう。

私の妻は、自閉症に関する啓発と権利擁護運動に深く関わっており、自閉症の人々だけでなく、その生活の改善に尽力する人々にもまつわる感動的な話を聞かせてくれます。私たち全員が手を取り合って、自閉症をはじめとする精神的差異を抱える人々がその能力を発揮し、生まれながらの権利である機会と安寧を享受できるようにしようではありませんか。

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国連郵政部は「世界自閉症啓発デー」を迎えるにあたり、8種類の記念切手とコレクション用封筒を発行(2012年3月30日、国連本部での記者会見から)UN Photo/Mark Garten