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世界食料デー(10月16日)事務総長メッセージ

プレスリリース 11-063-J 2011年10月14日

アフリカの角地域では現在、1,300万人以上が過去60年で最悪の大干ばつに苦しんでいます。ソマリア南部の各地では飢饉が広がっています。しかし、干ばつがあったからといって、それが必ずしも飢饉に結びつく必要はないのです。ましてや、システムの崩壊や、アル・シャバブの支配地域で見られるような意図的な欠乏状態により、飢饉が起きることを許してはなりません。

アフリカの角で起きている飢餓は、世界が直面する不必要な脅威の一部にすぎません。地球上には、すべての人々に十二分に行き渡る食料がありながら、10億人近くが飢えに苦しんでいるというのが現状です。豊かな国、貧しい国を問わず、私は世界のすべての指導者に対し、飢餓との闘いに勝つために必要なエネルギーと資源を注ぎ込むよう強く促します。それは、ミレニアム開発目標達成(MDGs)に向けた私たちの取り組みの中心的な柱でもあるからです。零細農家の抵抗力を高めることから、最も弱い立場に置かれた人々を支援するセーフティネット・プログラムの展開に至るまで、食料安全保障の全領域をカバーする恒久的な解決策を講じなければなりません。

今年の「世界食料デー」は、急激な価格変動という問題にスポットを当てています。食費が所得の80%を占めることさえある世界の最貧層にとって、その影響は甚大となりかねません。2007年から2008年にかけては、食料価格の高騰で約8,000万人が飢餓に陥りました。最近の食料の値上がりにより、さらに7,000万人が極度の貧困へと追いやられています。

私たちは貧困、食料不安、栄養不良の悪循環を断ち切る必要があります。価格の急激な変動で貧困に陥った家庭では、赤ちゃんが栄養不良により、心身ともに取り返しのつかない悪影響を受けかねません。また、子どもたちが退学を強いられたり、食料を確保するために、収入源である家畜を殺さねばならなくなったりするおそれもあります。この問題に対処するためには、Scale Up Nutrition(栄養増進)運動が提唱しているように、すべての人々が十分な栄養を得られるようにする政策を導入しなければなりません。

世界の人口は今月、70億人を超える見込みです。世界には飢餓を終わらせるための知識と資源があります。そして私たちには、最貧層を食料価格上昇の影響から守るための手段もあります。今こそこの手段を用いて、飢餓を克服しようではありませんか。

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