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核実験に反対する国際デー(8月29日)事務総長メッセージ

プレスリリース 11-054-J 2011年08月25日

今年の「核実験に反対する国際デー」は、カザフスタンのセミパラチンスク核実験場閉鎖20周年にあたります。冷戦のさなか、数百回にわたり行われた核実験は、現地の住民や自然環境に壊滅的な被害を及ぼしました。私は人類史におけるこの暗黒の1ページがもたらした光景を目の当たりにし、その後遺症に取り組み続けるカザフスタンの政府と国民への支援を強調したいと思います。こうした核実験による恐ろしい影響を明るみに出すことで、プラスの成果を引き出そうとする人々の努力と試みを称賛いたします。

私たちは、核実験も核兵器もない世界を実現するため、早急に新たな前進を遂げる必要があります。現在の核実験自粛措置には価値がありますが、これは全面禁止に代わるものではありません。包括的核実験禁止条約(CTBT)をできるだけ早く発効させることが急務となっているのはそのためです。この条約は国際的な軍縮・不拡散体制にとって重要な要素であり、すべての国々から積極的な支持を得てしかるべきです。

条約発効がきわめて重要であることは、2010年の核不拡散条約(NPT)運用検討会議で再確認され、その行動計画にも盛り込まれました。同条約の検証体制は、国際協力にとって貴重な手段であることが判明しています。この体制が将来的にいかなる条約違反も検証することができ、結果として違反を抑制することのできる独立した、信頼性のある、費用効果的手段を提供できると確信しています。

このような理由から、包括的核実験禁止条約の署名または批准をまだ行っていないすべての国々に対し、優先課題としてこれに取り組むよう強く促します。この目標を達成することにより、核兵器のない世界の実現に向けた動きが、さらに勢いを増すことでしょう。核実験と核兵器はともに冷戦の危険な遺産であり、これらを恒久的に廃止すべき時はとっくに来ているという認識を持つ人々の数は、日に日に増えています。今年の「核実験に反対する国際デー」にあたり、私はすべての国々に対し、あらゆる人々にとってより安全かつ安心な世界の実現に向け、勇気ある一歩を踏み出すよう呼びかけます。

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