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国連事務総長、ユネスコ事務局長、人権高等弁務官
「世界報道自由デー(5月3日)」共同メッセージ

プレスリリース 00/42 2000年05月02日

 以下は2000年5月3日の「世界報道自由デー」に寄せたコフィー・アナン国連事務総長、松浦晃一郎・国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長およびメアリー・ロビンソン国連人権高等弁務官の共同メッセージです。

 新世紀最初の今年の「世界報道自由デー」に当たり、また「平和の文化のための国際年」の文脈において、私たちは、政府、地方自治体、軍隊を問わず、世界中の紛争状況におけるすべての活動主体に対し、あらゆる一般市民が信頼できる情報を得る権利、および、ジャーナリストがその安全、自由あるいは生命を危惧することなしに、信頼できる情報を提供する権利を保護するよう促します。
 どの社会でも、報道の自由は透明性、説明責任、よい統治および法の支配に不可欠です。この自由を弾圧すれば必ず、社会の結束と安定にとって由々しき結果が生じます。どのような言い訳をしようと、報道の自由が犠牲にされれば、紛争が間近に生ずる可能性が高くなります。すべての国は関連する国際人権法文書を批准するとともに、意見と表現の自由を律する国際的基準に合致するよう、その国内法体系の緻密な見直しを図るべきです。
 紛争状態においては、独立した多元的な報道を行うメディアの責任が一層重要になります。メディアは最悪の残虐行為の防止を助けることができるからです。しかし、戦闘当事者が表現の自由を敵と見なし、メディアを宣言の道具として利用すれば、中立的な報道を試みるジャーナリストは圧力、操作、脅迫、さらにはせん滅の対象となってしまいます。また、ジャーナリストが退去を強制されれば、暴力の連鎖は際限なく続くことになります。援助活動員や地域住民など、最後に残った目撃者が次なる標的となることも多いのです。
 戦争の後には、自由で独立した報道の確立が、不信と恐怖を脱し、真の対話が可能な環境へと至る道を提供します。なぜなら、人々は自分で考え、事実に基づいて意見を述べられるようになるからです。
 また、女性の声が聞き入れられるようにするため、特に注意を傾けるべきです。武力紛争の影響を最初に受けることのもっとも多いのが女性です。よって、女性が情報に十分にアクセスできること、および、女性が平等な力と平等な数をもって諸問題を報道することは正しいことであると同時に、まさに必要なことであるといえます。女性が表現の自由に対する権利を行使する上で、何らかの形式的・文化的障害がある場合、政府はこれを克服すべく、あらゆる努力を行うことが求められます。
 圧政的な社会であれ、紛争時あるいは紛争後の状況であれ、その独立性あるいは安全が脅威にさらされている場合、公正で独立の情報の流れを維持しようとする現地ジャーナリストは支援され、保護されなければなりません。国際メディアもまた、紛争の中立的な報道を行い、人道上の危機、人権の侵害、および、被害者にとって忘却が最悪の運命となるようなその他の状況に対して世界の注意を喚起する上で、重要な役割を果たすべきです。
 国際社会は報道の自由の重大な侵害を矯正すべく、努力を続けなければなりません。私たちの国連機関に代わり、また知識、正義および平和のために、私たちは、メディアがそのかけがえのない、そしてしばしば危険をともなう活動を行えるようあらゆるアプローチを模索することを約束します。