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国際ボランティア・デー(12月5日)に寄せる
コフィー・アナン事務総長メッセージ

プレスリリース 01/102-J 2001年12月04日

 まもなく幕を閉じようとしている国際ボランティア年は、私たちみんながボランティア活動についてあらゆる面からじっくりと考える良い機会となりました。また、世界中に揺るぎない健全な社会を築く上でボランティアがなしうる大きな貢献について、私たちの認識を高めるまたとない契機にもなりました。

 1,000万人のボランティアの助けがなければ、ユニセフ(UNICEF)とそのパートナー組織が55,000万もの子どもたちにポリオの予防接種をすることはできなかったでしょう。2001年現在、ボランティアの支援の価値は100億ドルと推定されています。それは、国連やそのパートナー組織が自分たちだけで対応できる範囲を大きく超えています。

 また、農業や漁業に携わる人々、航空機のパイロット、船長など、何百万もの人々の助けがなければ、世界気象機関(WMO)は世界の気象状況に関する重要なデータを集めることができなかったでしょう。2年前、93才になるそうしたボランティアの1人に気象観測者の団体から栄誉賞が授けられました。56年間毎日、水文学上の観測を続けたことに感謝が捧げられたのでした。

 このような献身的な活動はいろいろな形で行われています。しばしば、ボランティア活動は裕福な人々だけが行っているといわれますが、けっしてそんなことはありません。世界各地で活動する年4,500人の国連ボランティアのうち、3分の2以上は開発途上国の人々です。実際、社会のあらゆる階層や職業の人々、あらゆる文化や宗教をもつ人々が、同胞である他者の手助けをするために自分の時間を割いているのです。

 私たちは、この価値ある活動を支えるために、できる限りのことをしなければなりません。国際ボランティア年はまもなく終わりますが、ボランティアの働きの重要性は変わらないのです。すべての人にとってよりよく、より安全な世界を作るという私たちの目標に達するには、これまでにも増してボランティアの力が必要です。国際ボランティア・デーを迎えた今日、さらに多くの人が他人のために貢献しようとする気持ちをもち、世界的なボランティア活動の潮流にどんどん加わってくれることを希望しましょう。どこに暮らし、どこで働いていても、私たちは誰もが他者に分け与えられる何かをもっているのです。