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国際移住者デー(12月18日)に寄せる
コフィー・アナン事務総長メッセージ

プレスリリース 01/106-J 2001年12月18日

 今年で2度目になる「国際移住者デー」は、数百万人の移住者が世界各国の経済、社会および文化的進歩に対して行っている、目につきにくいながらも大きな貢献を認識する日です。それはまた、将来に向けて移住が提起する課題を明らかにする機会でもあります。

 グローバル化を強める今日の世界で、移住は動かしがたい現実です。世界人口の2%に当たる15,000万人を超える人々が、出生国あるいは国籍国以外の国で暮らし、働いています。移住労働者、難民、亡命者、永住者などはすべて、この数字に含まれます。

 移住者はその受入国の社会構造を豊かにするだけではありません。その多くは、故国と家族にとって、縁の下の力持ちなのです。貴重な送金に加えて、これらの人々は帰国の際、価値ある技能、知識および経験を持ち帰ります。それでも、こうした貢献が無視されることはあまりにも多いのです。

 多くの移住者たちの運命は、世界人権宣言、人権規範および労働条約に反映された希望とはかけ離れています。低賃金で、手当はほとんど、あるいは、まったくなく、最低限の安全と保健も確保されずに働いている傾向にあります。差別や疎外の対象になることも多くなっています。さらに、無許可で移住した人々は、ぞっとするような虐待と搾取の対象となります。特に、人身売買という害悪は、女性と子どもをはじめとする多くの人々を恐ろしい状況に追いやっています。

 移住者が尊厳と安全の中で生活できるよう、私たちが力を合わせなければならないことは明らかです。1990年に「すべての移住労働者とその家族の権利の保護に関する国際条約」が採択されたことで、移住者の権利を擁護しながら、政府に無許可の移住を防ぐ手段を提供する、包括的な枠組みができ上がりました。そして今年、「人種主義、人種差別、排外主義および関連の不寛容に反対する世界会議(ダーバン会議)」は、移住者と難民に対する差別と排外主義に対処するための包括的計画を採択しました。

 今年の国際移住者デーに際し、私は1990年の国際条約を批准していないか、これに加入していないすべての加盟国に、これを行うよう求めるとともに、政府と市民社会の両方に対し、ダーバンでの人種主義に反対する世界会議による勧告に基づく行動を起こすよう促します。移住者の権利と利益を守ることが、これほど緊急性を帯びたことはありません。それは私たち全員にとっての責任なのです。