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世界人口デー(7月11日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長メッセージ

プレスリリース 02/057-J 2002年07月04日

 今年の世界人口デーのテーマは、「貧困の削減-リプロダクティブ・ヘルスの改善」です。これは、家族計画、妊産婦の安全およびHIV/エイズ予防の役割に焦点を当て、多くの人々を苦しめている惨状と絶望に対してグローバルな闘いを推し進めるものです。

 8年前、カイロでの国際人口開発会議において、世界各国は、女性のエンパワーメント、男女平等の促進、人口成長の減速と最終的な安定化、および、持続可能な開発の育成をねらいとする幅広い対策の一環として、2015年までにリプロダクティブ・ヘルス・サービスを完全に普及させるという目標の達成を公約しました。

 それ以降、就学率の上昇、子どもの生存率の向上、および、自発的家族計画を含むリプロダクティブ・ヘルス・サービスへのアクセス改善もあり、カイロ・アジェンダへの取組みには進展が見られています。開発途上国では、予想以上に出生率が低下した国もあり、世界の人口増加率も減速しています。

 この好ましい循環により、一層の進歩が可能となっています。実質的な選択権さえ与えられれば、より小規模で健康的な家族を持ち、それぞれの子供の将来により多くの投資を行うことを選ぶ個人やカップルが多いのです。また、被扶養者の数が少なくなることから、出生率の低下は一世代のうちに潜在的な経済成長の可能性を生み出します。1980年代、東アジアはこの人口学的ボーナスの恩恵に浴しました。サハラ以南アフリカや南アジアなど、貧困が広まっている他の地域も、保健と教育への投資拡大を促す経済・社会政策を導入すれば、同じ恩恵を受けることができるでしょう。

 世界の人口成長は減速していますが、開発途上地域では2015年までに、人口がさらに10億人増える見込みです。しかも、世界でもっとも急速な人口の増加は後発開発途上国で見られており、その人口は今後50年間に66,800万人から18億人へと、3倍近くに増える見込みです。これらの国々はすでに、基礎的サービスの提供能力がもっとも低く、飢餓、HIV/エイズ、水不足および環境破壊によっても、きわめて深刻な影響を受けています。

 今年の世界人口デーにあたり、より幅広い貧困対策の鍵を握る道具として、リプロダクティブ・ヘルスを認識しようではありませんか。そして、より健康で強靭、かつ豊かな家族を作り上げる手段としてのリプロダクティブ・ヘルスを推進すべく、必要な資源と政治的意思の動員を決意しようではありませんか。