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国連気候変動枠組み条約発効10周年(3月21日)に寄せる
コフィー・アナン国連事務総長のメッセージ

プレスリリース 04/027-J 2004年03月25日

百年単位の広がりを持つ問題にとって、10年という期間は決して長くありません。それでも、「国連気候変動枠組み条約」発効後の10年間には、大きな進歩が見られています。

気候変動問題は、地方や国、さらには国際レベルの課題として捉えられ、一般市民やメディアの重要な関心事となり、ますます多くの企業の戦略に組み込まれるようになっています。世界各国の政府が行動を起こし、講じられる措置の調整を行い、その成果を評価できるようにするための制度やプロセスも発足しました。188カ国を数える条約締約国の年次会合には、政府、企業、市民社会、国際機関から何千人という規模で参加するようになりました。

気候変動枠組み条約は市場をも刺激し、新たな技術の台頭を促しています。例えば、風力エネルギーの活用が広がり、製造工程の効率化が進み、ハイブリッド車が実用化への道を歩み始め、水素の利用と炭素の捕捉による画期的な技術への投資が活発化しています。また、条約の金融メカニズムを通じ、気候変動の影響をもっとも受けやすい貧困国の関連プロジェクトに対し、ほぼ100億ドルの資金供与が行われています。

2000年までに、先進国の温室効果ガス排出量を1990年の水準に戻すという条約の目標は、全体としては達成されました。しかし、ほとんどの先進国では、温室効果ガスの排出量が再び増大しています。長期的な成果を測る重要な尺度といえる大気中の二酸化炭素濃度は、この10年間に約5%上昇しました。今後の排出量を抑制するために、あらゆる国々が取り組みをさらに強化しなければなりません。特に先進国はその先頭に立つべきです。また、気候変動への適応を図るため、より一層の強調も必要です。気候変動の影響の中には、すでに避けられなくなっているものがあるからです。事実、多くの地域で干ばつや洪水、さらには異常気象が広がりを見せていることは、今後に起こりうる大災害の前触れともいえるのです。

条約発効10周年はまた、京都議定書への強力な支持を新たにする機会でもあります。議定書がまだ発効していないことは、効果的な措置をグローバルに講じる上で大きな障害となっています。京都議定書を批准していない国々に対して、これを行い、それぞれのグローバルな責任を果たす真の決意を示すよう、改めて呼びかけたいと思います。

グローバルな気候変動対策は大掛かりな事業です。そのためには、グローバル市民としての自覚と、今後数十年間にわたるビジョンの維持が必要となるでしょう。国際社会は、この課題への今までの対応を誇りに思うべきです。しかし、私たちの社会の基盤をさらに安定させるためには、こうした取り組みを実質的に再び活性化しなければなりません。現在の状態が続けば将来に必ず発生するだろうと言われている大惨事を避ける道も、これを置いて他にないのです。

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